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春が嫌い

何だか今年は春があんまりなかったみたい。
先週までまだ炬燵を出してたし、今週はもう扇風機出してる。
まぁ、春って嫌いだから良いんだけどさ。

そう、春が嫌い……こう言うとみんな「花粉症?」って反応が返ってくる。
確かに花粉症だけどそこまでヒドくない。
目が痒いのと鼻がムズムズするくらい。
コンタクト我慢してガリガリ掻いちゃう。
くしゃみくらい、しちゃえばスッキリ気持ちイイし。
だからそうじゃない。

なんだか寂しくなって不安にかられる。
そんな感じ。
最近はだいぶなくなりましたが。

私は春に何かトラウマでもあるのか?
ちょっと思い出してみた。
……で、とっても思い当たる事が。

私が上京した春、これがなかなか辛かった。
まず、誰も知らない土地へ一人でやってくる。それだけでも不安なんだけど、それまで一番の親友だと思ってた子とケンカしちゃって、精神的にも一人だった。
あと、ウチってマジ貧乏で、ましてや芝居の学校になんて学費出してくんなくて、新聞配達しながら学校通ったんですわ。
その新聞配達がさぁ~~~!
ただでさえ一人で起きれないくらい朝弱かったあたしがひーこら頑張って配るだけでも大変なんですけど! 可哀想なんですけど!
ねぇ!!
春ってなんで頭オカシイ奴多いの??!!
しかも朝方とかすごい多いのね!!

変態ポイントが2箇所もあったのよ。
最初は男の先輩と一緒に配ってたし、それはまだ3月頭で寒かったのかな?
私が一人立ちしてからね、出始めたのさ。

まず、最初のポイント、こいつは毎朝居る。
一人でずーっと演説してるの。
「だから日本はぁ!! すなわち!!! 我々のするべき課題は!!!」

もう何言ってたかなんて覚えてないけどさ。
あのね、怖いって……。
誰も居ない、まだ薄暗い中でさ、大声出してんの。
どうしようあそこ通らなきゃ新聞配れないのに……って超ドキドキしながら半泣きでそいつの横を通るのです。
でもこれは割りとすぐに慣れた。
こっちに危害は加えないと覚えてからはマイペースで通過できる様になりました。
「はいはいお疲れさーん」
ってなもんです。

で、もう一つの変態ポイントはいわゆる露出狂。
商店街に出没し、「見て。見て」と迫ってきます。
ショックだったぁ……。
ホントに居るんだ、と思って。
田舎じゃ考えられない。どこの誰って、たぶんすぐ分かっちゃうから。
話しには聞いていたけどさ、そんな奴が出たら蹴っ飛ばしてやる! くらい思ってたけど、実際出ると何も出来ないのね。
そんなくだらない人間にビビらされてる自分が悔しかった。私は弱いと思い知らされて。
で、確か誰かに相談したら、あんまり親身になってもらえなくって。思い返すと私もそこまで深刻な感じで話さなかったと思うんだ。警察とかも、何故か当時思い至らなかった。笑い話みたいに話しちゃったのかも。
だから当然それ聞いた方は「小さいって言ってやれば良いじゃん」とか「蹴っ飛ばしてやれば良いじゃん」とか、そんな反応なんだけどさ。
自分でそういう感じに持っていったくせに、この言い草にはムカついたなぁ~。実際お前やれんのかよ? って。
私もよく想像もしないで簡単にそーゆー事人に言うタイプの人間でした。もう言いません。
で、まぁね、そいつを見かけたらとりあえず他の場所から配って、居なくなったかな……なんてビビりながらまた戻って。
夏には居なくなったよ。

そんな、一人で変態に立ち向かった18歳の春……。
多少トラウマになっても仕方ないかしら。
だから春が来る度に不安になるに違いない。

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