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親の延命治療についてどう考える・・・?

親に万が一のことが起きた時、「延命治療をどこまでするのか」考えたことはありますか?
親が元気なうちからこのような話をする機会は、なかなかないかと思います。
私も両親と延命治療について話し合ったことはありませんでしたが、今になって親が元気なうちにきちんと話し合っておくべきだったと後悔しています。

こんな縁起でもないことをnoteに書こうと思ったのは、私自身が、現在寝たきり状態の父と「延命治療について」きちんと話すことができず、後悔しているからです。

今回は、点滴による延命治療につお伝えしたいと思います。


急に命の決断を迫られる前に


親が急に寝たきりになり、意思疎通がはかれない状態になると当然ながら
「延命治療をするか、しないか」家族に決断を迫られることがあります。
自分が親の命をどうするか決断を迫られるのです。
親の意思も確認できないまま、命の決断をせまられる・・・
こんな辛い状態にならないためにも、年老いてきた親とは、「万が一のことが起きた時、どうしたいのか?」本人の希望を聞くことをおすすめします。

家族としては「できるだけ長く生きてい欲しい」という思いが強いかと思いますが、延命治療は、本人にとって辛い処置である可能性も考えられます。

延命治療を受ける家族が話ができる状態なら、本人の意思確認をすることができますが、急に話ができなくなるほど容態が急変した時、家族が決断を迫られます。

特に、ご高齢の両親をもつ家族は、いつこのような状態になるか分かりません。
だから、事前に「食事が取れなくなったらどうしたいか?」など延命治療についてある程度話をすることが大切だと思います。

点滴による延命治療は本人にとって良いことなのか?


私の父は今年に入ってから体調がすぐれない日が続き、3ヵ月ほど入院していました。
父の年齢が83歳ということもあり、入院時の手続きの書類の中で延命措置に関する書類があったので、父の意向を確認しました。
その時、父は心臓マッサージや人工呼吸などの心身に大きなつらさや負担を伴う処置については、望みませんでしたが、食事が取れなくなった時の延命治療については、しっかりと話ができていませんでした。

そして、退院後、24時間看護サービスが受けられる老人ホームに入居することになりました。

施設入居時にも緊急時病院への搬送を希望するか、施設でできる医療行為だけを希望するかのか、記入する書類があったので父と話をして、父は「施設でできる医療行為を望む」という意向だけは確認することができていました。

そして、施設に入居してから1週間ほど経った頃、誤嚥性肺炎の疑いで父の容態が急変し、一時期危ない状態になりました。
その後、父の容態は安定して、意識は取り戻しましたが、今は、話すことができず、寝たきり状態です。
そして、誤嚥の危険があるので、口からの食事はせずに点滴を行うことになりました。

高齢になり、口から食事を摂取できなくなった時の延命治療として点滴があります。点滴で水分補給を行い、脱水状態を防ぐという方法です。

食事ができない時は、点滴をしておけば安心というイメージが強いかと思います。
しかし、点滴をしている父の体に異変が現れ始めてから「もしかしたら、点滴による延命治療は本人にとっては、辛いものなのかもしれない」と考え始めたのです。

この延命治療による点滴について調べてみると、良いことばかりではなく、デメリットも多いことが分かったのです。

点滴による延命治療を始めて父の体に次のような異変が現れました。

・両腕がパンパンに浮腫
父が点滴による治療を始めてから、しばらくして面会に行った時、父の両腕がパンパンに浮腫んでいるのに気づきました。
原因を調べてみると点滴による浮腫みだということが分かったのです。
体そのものが水分を吸収できない状態になっているにもかかわらず、点滴により強制的に水分を入れることで、腹水や胸水、むくみが増え、呼吸が苦しくなるなどの辛い症状が現れることがあるそうです。

・痰が増える
以前は、痰吸引が不要だった父でしたが、点滴を開始してから痰がたまるようになりました。
今では、定期的に痰吸引をしなければならい状態になってしまったのです。
実際に痰吸引をされている父の姿は辛そうで、その姿を見ていると何とも言えない気持ちになります。

このように点滴は、良いことばかりではないということを、家族は理解しておく必要があると思います。

葛藤の毎日・・・

寝たりきりの状態で、食事も摂れず、点滴で生かされている状態の父。

果たして父はこの状態をどう感じているのだろうか・・・
今の状況は本人が望んでいる状況なのだろうか・・・・
今の父は話ができないので、本人の気持ちを聞くこともできない・・・

毎日このようなことが頭の中をめぐります。

食べることが好きだった父は、もしかしたら点滴をせずに穏やかに過ごすことを望んでいたのかもしれない・・・

だからといって、私が「父の命をどうするのか」を決めることはできない・・・
家族としては「できるだけ長く生きていてほしい」とい思いもあります。

点滴は、浮腫み具合を見ながら、今も続けている状態です。

「万が一、食べられなくなったらどうするのか?」親とこんな話をすることは縁起でもないし、切り出しにくいと思います。
でも、人は加齢に伴い、亡くなる前には「食べれなくなる日がいつか来る」ということとしっかり向き合い、万が一そうなった場合、本人はどんなことを望むのか事前にしっかりと確認することは、大切なことだと思いました。

意思疎通ができなくなる前にできることとは


延命についての意思確認のツールとして「事前指示書」というものがあります。

事前指示書は、本人が意思表示できなくなった場合に、どのような延命治療を受けるか記入するための書類です。

高齢者が入院する際や介護施設に入居する際にこのような書類の記入を求められることがあります。

親の意思を確認できる状態であり、家族の話し合いが可能な状況であれば、本人の意思を尊重するためにも、親に終末期の意思確認の準備をしておくことをおすすめします。


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