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「頭を打つ人。」(詩)

頭を打ち続ける人がいた。

(……何か、後ろめたいのだろうか?)


思考は露と消える。


劣等の中。


自分の中。


痣を作り続けている。


頑なに残る意識。


残る傷は妙に生々しい。


心の中の空洞。


文字の羅列。


現状には何も言えず。


「ダイジョウブ」


と、遠退くその人に。


「オツカレサマ」


と、変わらない言葉しか続かない。


苦しい姿。


車に乗って遠くなる。


一つ前で降りた傍観者。


降りた先で、誰かが泣いていた。


進むセカイ。


頭を打ち続ける誰かへ。


(……過去の僕と、貴方へ。)


重ね合わせたあの頃。


……勝手に、そんな気になってた。


「ソンナコトハヤメロ」


「ジブンヲタイセツニシロ」


……そんなこと、誰でも言える空っぽだ。


感情がどれだけ込められていても。


多分、響いていない。


(……当たり前だ。)


だって、頭に響く傷に比べたら。

例え誰のどんな言葉も、

ココロの遠くを掠めるだけだから。

常時続く痛みに。

頭を打つ、その人は。

言葉にすらしないまま。

ただ、絶えず耐え続けている………

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