見出し画像

「知って。」(詩)

雪が降り、夕焼けが照らした町で。


これまでと

これからを思い出す。


往来する人々を見つめる。


契約期間と

愛の深さ。


たくさんの暖かさをもらって。


たくさんの嬉しさを知って。


息の仕方を教わった。


孤独が生きる方法を。


ほんの少しでも、勇気を出す方法を。


そして、

「好き」を貫く心を。


間違っていてもいいんだ。


正解なんてないんだ。


集う鳥が、

寄せ合って寒さを抑えている。


人と関わって。


人が大好きだって知った。


ひとりが大好きだって知った。


愛が欲しいのは

みんな同じだと知った。


分かり合おうとすることの

大切さを知った。


今、寒いこと。


あの日が、暑かったこと。


あれが好きなこと。


あれは苦手なこと。


怖がった過去を置き去りにしたこと。


向き合って、自分を知って。


多くのことを学んだんだ。


向かい風ばっかだったけど。


僅かな追い風を

ものにしきれなかったけど。


髪が揺らぐ。


画面から雫が落ちる。


弱さを知ったから。


拭った血の数。


大好きな想い出も。


線路の先まで。


あの、繰り返す景色の先まで。


全部、全部抱えて。


「忘れないよ。」


揺れる電車に身を委ね、

僕はこれからも進んでく。


その景色を、きっと懐かしみながら……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?