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「微熱。」(詩)

終末の合図、鼓動が鳴った。

はにかむ姿に

踊らされた。

己を律し、

最高速度で「今」を駆け抜ける。

思い返す暇もなく

あの日を越えた。

悲しさを越え、

過去最高のモース硬度。

苦しさを越え、

痕が残る。

「さよなら。」

心に浮かべ、時は進んで。

遥か彼方を見据えた自分に、

話す目の前の声。

……何故か、そこには人がいた。

錯覚を覚える。

声を聞き、姿を覗く。

記憶とは違うようで。

疑問符は宙を浮く。

熱に浮いたようで、
妙に身体が熱くなった。

痺れた頭に、想い出が浮かぶ。

違和感。

いつの日か感じていた、この感じ。

「分かり合う」という

幻想すら形にしてしまう程の……

(……きっと、僕は。)

----この感情を、知っている。

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