見出し画像

「RF」(詩)

それは夢にみた場所。


いつか。


歩いて。


空見て。


お弁当食べて。


寝っ転がって

物思いに耽りたい。


屋上は閉鎖されている。


いつか校舎で見た

塞がれたあの階段の先を。


夢に見ていた。


RF


ドアを開けた先で、

澄み渡る風が私を迎える。


ここからなら、

どこへでも行ける気がする。


青も、赤も、黒も。


白く輝いた月も。


眼前を流れた星も。


全部に近づいている。


この大きな空の中にいる

あまりに小さな私。


屋上から手を伸ばせば。


一歩踏み出せば。


いずれ、空にすら届く気がしたんだ。


何かを叶えられる気がしたんだ。


あの日に夢見た

幼い気持ちに。


ただ、正直になって。


変わらない日々に。


退屈に。


別れを告げる。


私の心を掴んで離さない夢だけを信じて。


空想の中にだけある階段を駆け上がる。


塞いだ壁を

何度でも乗り越えて。


ドアを開ける。


その先で。


夢に見たあの景色を見るために。


どこまでも輝く、

あの空を見るために……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?