「それしかできないけど。」(詩)
都会に持った故郷。
文字を綴ること。
誰かと話すこと。
笑うこと。
僕の愛した大切を
描き続ける。
その覚悟には
不器用さが目立つ。
書くことでしか
自分を証明できない。
たくさんの伝えたいこと。
ふわふわ浮かんで、
掴むことなく消えていく。
空。
愛情、無力、希望。
こうして文字を綴ること。
それしかできないけど。
知らない何処かで
大勢の人が息絶えていても。
ひっそりと
悲劇が息をしていても。
それしかできないけど。
自分の為に。
誰かの為に。
諦められないから。
山の頂上から飛んで、
空中の街を踊る。
幸せを追い求めて。
星を欺く程の光で。
周りに巣食う闇を穿つ。
書くことしかできないけど。
きっと、
そんな鮮やかな夢を。
叶えて。
いつか、
心の底から安心して笑えるまで……