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「いずれ、いなくなる君へ。」(詩)

打ちのめされた思いと劣等感。


心臓の高鳴りを探して。


日の当たる喫茶店で

君と、珈琲を飲む。


裏切らない甘美な二次元。


それでも信じたい苦汁が

マドラーで混ざる珈琲。


飲み干せば、ただ。


君が近くにいるだけ。


現実は常に怖くて。


君とフィクションだけが味方だ。


夢があってもなくても。


ただ、世界が遠くて

苦しさに諦めても。


死にたくはなくて。


痛みが怖くて。


現実に生きたくはなくて。


絶望が世界を支配していて。


なす術なんてない。


二人、お互いを見つめても。


見えている世界が違うと塞ぎ込む。


受容の心と否定の心。


僕らは「知らない」を怖がっている。


「子供は知ったかぶるもので、

大人は知らないふりをするもの。」


誰かの言葉が突き刺さる。


分かっているつもりなんだ。


でも、そんな僕らが真実を知ったら

どうするのだろう?


知らないふりをして、

自分も、子供も、絶望から逃がすのだろうか。


打ちのめされた思いと劣等感。


再び突き刺さって。


また一つフィクションが消えていく。


甘美な夢と二次元が溶けて。


どうしようもない苦味が、

マドラーで混ざる珈琲。


存在が消えそうになる。


現実の自分と、理想を目指した時の自分。


創作者と、蚊帳の外のファン。


心臓の高鳴りを探す自分と、

あわよくば自身を証明したい浅ましさ。


……きっと、そんな自分でも

誰かが分かってくれるから。


そう。

信じてるから、きっと。


ただ、生きてみようと思った。


どれだけたくさんの人を見送っても

何度打ちのめされても。


消えたくないと、そう思った。

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