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「透明な報酬。」(詩)

夜の街灯の下。

すり抜けた、透明な報酬。

静かに掌、収まる缶ジュース。

気付けば、蓋はあいている。

缶の中からは、泡沫が溢れて。

飲み下した身体の中には、

夢が溢れた。

透明な日々と自分は。

……まるで、幽霊みたいで。

存在証明、

重なるメモを次へと動かしていく。 

紡いでく。

僕を乗せた感情

閉鎖空間が動き出す。

目の前の人のヒトらしさ。

魅入られて。

心臓に鳴り響く激突音。

カタコト揺れて。

突き抜ける風圧

導く道はひとつ。

ただ、諦めたくなくて。

……諦めた人が、周りにはたくさんいて。

背反して、また

揺れる気持ち。

あの日のような熱と。

……時間が経っても、残る傷。

「忘れないで」と鼓動が囁く。

心の灯火に、

薪がくべられる。

透明な報酬。

反射した輝きが

目に宿る。

思い出す。

他人とは違った過去。

反骨と、足掻く日々。

……その全てを、胸に仕舞って。

自己を通して見えるセカイは。

美しさと儚さに

その他諸々。

そして……

散らばった幸せと、眩しい光で満ち足りていた。

……それがきっと。

今まで、僕が生きた証だ。

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