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[詩]「不浄を払う」

行水は

仏様の為に非ず


自らの

不浄を払うため


湯船の中


洗い流す

罪に浸る


少し眠って


天気予報と

傘を持って


外に向けて

歩を進める


扉を開ければ

姦しい俗世


罪に対して

ただ荒れる


騒ぎ立てて

意味があるのか


彼らは


無知の知を

知っているのか


そんなことも

知らぬまま


変わらない

日々に


血染めのような

夕暮れに


誰かの泣く声が

聞こえてくる


その声には


誰も構わない


いずれはきっと


泣き声の主も

涙を拭い


独りでに

歩き出すだろう


だからこそ


彼らの道を

阻まないで


責任なんて

取れないけれど


代わりになるなら


果たしにいこう



雨の中で


傘一つ


誰かの善意に

託しにいこう


かつての私が

救われた時のように


生きて

罪を償うように


染み付いた

不浄を払うように


歩いていこう


(若干昔書いてた小説である「傘のリレー。」のリメイク入ってます!興味があったらその要素を探してみてね!)


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