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「いつかの日まで。」(詩)

白い空が覆う夢の中で。


あちらこちらで

声がする。


大きな校内

人気のない階段を上れば。


広い屋上が

校舎を繋いでいる。


空を見上げれば

白い光が眩しくて。


空だけに

確かな色を。


「誰かの日常が

ある日突然、消えるかもしれない。」


起こりえる事だと知っていても。


普段は

きっと、目を背けてる。


大切な誰かといる時の

心安らぐ、瞬間が。


自分を認めて貰える

その瞬間が、きっと。


どうしようもない不安から、

僕らを逃がしてくれている。


教室の一つ一つでは

相変わらず誰かが、誰かと話をしている。


自分の存在を

確かめるように。


証明するかのように。


青くて、爽やかな空が輝く。


普段は誰も気が付かないから。


今日は、

少し目を向けてみよう。


屋上と世界の中心に立ってみた。


当たり前に

ささやかな感謝を伝えるために。


そして。


こんな自分でも

誰かの存在を証明するために。


大切な誰かが

生きててよかったと思ってくれるように……


「これからも。

暖かな夢が、見れますように。」


……そう、祈ってみた。

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