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「静謐の旅。」(詩)

心の中のぐちゃぐちゃ


混沌。


思考の中、静謐に。


浸ってはまた、

落ち着き払って。


一日が終わり、意識を落とす。


その先で夢を見る。


求めるものは、あったりなかったりで。


暗闇の先を行けば、

そこには明晰の端末が眠っている。


その端末は、全てを知っている。


全てを見透かしている鏡だ。


文字列と映像が地図を示す。


今いる空間を把握する。


感情を見透かす鏡。


反射した感情が全て。


鳥瞰する身体、空中浮遊。


手が触れて、目を閉じたら。


果てのない空が身体を包む。


闇の中に、光を探す。


夢の中、巡った街も駅も。


目を開けて運ばれる

バスの行く先も。


焦がれた海と

飛んでいきそうな空も。


心地よく残る、大切な想い出。


浮かぶ記憶に。


小さい頃にいた

ただ広くてよくある街に恋をした。


その街に、孤独を感じたから。


ただひとりなら、

どこでも行けそうな気がしたから。


自分が、

ちっぽけに見えたから。


誰にも理解されなくたっていい。


願いはひとつ。


あの青い街で。

あの雰囲気の街で。

人として静かに笑い、崩れ落ちること。


そこには、

破滅の癒しが宿る。


きっと、そこには。

自分が自分であれる、確かな居場所がある。


この想いも。


いつか変わるかもしれない望みも。


抱いて、心は遥か遠くのままで。


歩いて少し遠くの図書館まで行こう。


そして夜には、

高いビルで買い物をしてごはんを食べよう。


電車の音に揺られる心。


いつか、そんな安息を求めて。


……また、僕は目を閉じた。

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