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『頑なに拒む両手』

一瞬、自分の置かれている状況が分からなかった。

不意にバランスを崩した足が絡まり、
そのまま地面に倒れる予定だった私の身体は、彼に受け止められた。

黒いポロシャツの胸に顔を埋めたまま、
自分の両手が彼の身体に触れてしまわないよう祈る。

触れてしまったら私の気持ちが伝わってしまいそうで。

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