「9才の壁」にたどり着くまでの壁①
私がバイリンガル育児をしながら、いつも参考にしている表があります。
「『外国語!どう向き合う?どう学ぶ?』
~バイリンガル教育の専門家が説く 母語の重要性~ 」という記事の中にある「年齢とコトバの発達(p5. p6)」というものです。
これは、かつて参加した研究会で筆者の先生から頂いた資料に載っていた表でもありまして、とても分かりやすくて感動したものです。表の無断転載は控えますが、ぜひぜひリンク先の記事をご覧になってください。
表の内容を見ますと、年齢別に言葉がどう発達しているかということが一覧になっています。
「家庭文化」0才~4才、「会話力基礎」2~8才(特に4~8才がキー)、「読み書き基礎」(4~9才半)とあり、9才の途中に線が引いてあって、「9才の壁」と書いてあります。
9才の壁については、分かりやすい記事がありました。
「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」とは? 子どもの発達段階を意識した4つの対処法(こどもまなび☆ラボ)
一般的に、9才~10才で「物事をある程度対象化して認識することができるようになる(文部科学省:子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題)」と言われ、勉強でも抽象的な内容や表現が増え、学習の難易度がぐっと上がって勉強につまづく子どもが多いため、このように呼ばれているようです。
海外で育つ子どもの場合は、幼い頃は1親1言語などで日常会話が二言語で話せるようになるものの、成長するにつれ現地の言葉は年齢相応に発達していくのに、家庭で頑張っていた言語が学習に使う抽象的な語彙までは身につかず、日常会話止まりになる…という現象が当てはまるでしょう。家の中では不自由ないけれども、いざその言語で勉強しようとすると難しい…ということですね。また、現地語の方も日常会話はネイティブなので安心していたら、学習言語の方がきちんと育っていなくて学習についていけない…ということもあり得ますので、注意が必要です。
そのため、海外でバイリンガル育児に取り組んでいる場合、この9才の壁を乗り越えることを目標にしているご家庭も多いのではないでしょうか。そのキーとなるのが読み書きですね。
6才の子どもがいる我が家でも、日常会話は日韓両言語でできるようになり、話す相手による言語の切り替えスイッチも安定してきたようなので、これからは読み書きをしっかり教えていかなきゃな~と少しずつ取り組んでいるところです。
……しかし、最近もっと小さいお子さんを育てているお母さんたちと話したり、バイリンガル育児を頑張っている家庭で一緒に集まったりする機会を通して、どうやら二言語を自由に切り替えて、日常会話が普通にできるようになるという段階に来るまでも、何度も壁が訪れるようだということに気づいてきました。
そう、冒頭でご紹介した表ではその前の部分が、わりとさらっと書かれているんですが、実は9才の壁まで、10年近くあります。そこまで順調にいくとはなかなかいかず、相当大変な道のりなんですね。
9才の壁どころか、0才から壁ってあるんじゃないかと感じまして、私自身のバイリンガル育児と周囲の声とを合わせて、9才の壁にたどり着くまでに立ちはだかる壁について、まとめてみることにしました。
道なき道を行くかのようなバイリンガル育児、せめてこの辺でこんな壁があって、乗り越え方はこんな感じらしい…というイメージだけでもあれば、少しは違うのではないかと思うんですよね。
前置きが長くなりましたので、壁の詳細については次の記事から書いていきます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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