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人生100年時代のための幸福学     Ⅲ「大切なのは、幸せの持続性」

幸せには、いろいろ種類があります。
「幸せ」と一口に言っても、実は様々な種類があります。「うれしい」「楽しい」といった刹那的な感情に近いHappinessから、生活レベルの満足感の高さLife satisfaction、精神的にも肉体的にも健康な状態が継続しているかのWell-beingなど、幅広い幸せが存在します。

他人と比較して得られる幸せと、比べられない幸せ。
 さらに、経済学者ロバート・フランクは幸福感をもたらす要素として、周囲との相対比較で幸福感が得られるものを「地位財」、他人との比較とは関係ないものを「非地位財」と分類しました。地位財の具体例は、所得や貯蓄、役職などの社会的地位および、家やクルマなどの物的財があります。一方の非地位財は、健康、自由、愛情などです。この2つの違いについて、心理学者のダニエル・ネトルは「幸福の“持続性”が異なる」と論じています。それらを、整理したのが下の表です。

持続性

余談ですが、結婚は「他人との相対比較とは関係なく幸せがえられるもの」で非地位財ではないかと思いますが、欧米では「成功者は、人がうらやむ若くて美人の妻をめとる」という概念があるため地位財と非地位財の中間に位置しているそうです。(”トロフィーワイフ”と呼ばれるらしく、古風な日本人としては、う~んという感じもしますが・・・。)

セカンドライフで、大切な幸せとは?
 上の表を見て、気付いたことがあります。右半分は、主にサラリーマン時代のファーストライフで追い求めてきたものであり、左半分こそがセカンドライフを豊かにするものではないかということです。サラリーマン時代は、“所得”の上昇を目指して頑張り、他人と競って出世して“社会的地位”を高め、素敵な家やカッコいい車などの”物的財”を得る度にHappinessという一時的な幸福感が得られました。では、定年後のセカンドライフは、どうでしょうか。
 セカンドライフは、マズローの唱える段階欲求説において最終段階の”自己実現”に到達すべきステージです。健康、自由、社会とのつながりといった他人と比較できない要素によって、Well-beingという“持続性”の高い幸福感を得ることが重要になります。そして、それらの要素は、農業が持っているポテンシャル(健康、自由、地域とのつながりetc,)とピタリと重なるのです。
 セカンドライフを幸福なものにするためには、他人と比較して一喜一憂するような刹那的幸せではなく“持続性”のある幸せが重要です。そういった意味でも、農業が適していると言えるのではないでしょうか。

以上、Vo.6-4『大切なのは、幸せの持続性』
*次回は、『幸福の危機が、50代にやってくる。』についてお伝えします。
 また、今までの記事もマガジンにて公開しています。
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