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就農には、見えないハードルがある。     4「農協依存」

農協は、強い味方のはずですが・・。
 そもそも農協は、農業協同組合法に基づいて設立された組合で、農業指導、肥料や農薬の共同購入、銀行や保険、ローン、スーパーなど幅広い業務を扱っています。しかしながら近年、様々な面で農協批判が聞かれるようになりました。主な批判としては、「非農業者の参加」や「組織の巨大化」、食料生産事業よりも「金融事業への傾倒」、TPP等のグローバル化や巨大スーパーの台頭など「新たな商流への対応の遅れ」などがあります。
 今回は、特に「新たな商流への対応への遅れ」について考えてみましょう。確かに農協は、販売ルートを安定的に確保してくれる頼もしい存在です。勝手の分からない新規就農者にとって、農協が農作物の主な販売ルートとなっているのが分かります。

農協依存1

農業のサプライチェーンを眺めてみると。
 農産物のサプライチェーンにおいて、農協を通す一般的なカタチは、下記のようになります。農業従事者にとって農協は、販売ルートの確保や種苗、肥料などの資材の供給をしてくれます。ところが見方を変えれば、農協は商慣習と制度で新規就農者を縛るケースもあり、新たな商流をつくることを妨げる抵抗勢力に映ったり、農家と消費者を遠ざける中間業者となる面もあります。農業従事者の“経営者”としての可能性、特にマーケティング思考が抑制され、昔ながらの“生産者”へと矮小化させてしまうリスクがあるのです。強い味方であるはずが、農協に”おんぶにだっこ”が当たり前になり、時代の変化のスピードについていけなくなっては、元も子もありません。

農協依存2

農業従事者から遠く見えづらい消費者。
 農業従事者(農家)が農協に依存したサプライチェーンでは、消費者に至るまでに多くの中間業者が介在することになり、消費者の顔が見えにくくなります。すると、農業の本質である“食の歓び”を提供している実感が失われて、生産作業が定型化してしまう。さらに、価格決定が遠いところでなされる不条理な思いが募りがちになり、モチベーションの低下につながってしまう。つまり、新規就農者にとって商慣習に従うだけでは、農業経営への創意工夫と意欲がそがれかねない状況なのです。

「生産から経営へ」新たなるトライを。
 既成概念に囚われず新しい感覚で農業を考えること、特に新しい販路、新しい売り方を考えることが、農業に求められています。私が推奨する『セカンドライフ・アグリ』は、会社員時代に培われた経験・知見と50代が持つ経営意欲を活かして、時代のニーズに楽しみながら応えていこうというものです。新人ならではの柔軟さ=”ルーキースマート”を発揮できればと期待しています。

以上、Vo.3-4『就農には見えないハードルがある。4「農協依存」』
*次回は、ハードル5「差別化難」をお伝えします。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,

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