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幸福の危機が、50代にやってくる。     その4「人生を自己決定する難しさ」

日本人は、自己決定することが不得意?
 人生の幸福度に影響する要素として、日本人が見落としがちなものがあります。「自己決定」という要素です。世界幸福度調査の6項目のひとつにも「人生の選択の自由度」として同じことが採用されていて、日本は第65位と低いランクになっています。日本人は「寄らば、大樹の陰」という体質のせいか、人生や経営を自己決定する“起業” や “自営業”に対して積極的でないというデータもあるのです。

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セカンドライフを、自由に選択できない現状も・・。
 また、セカンドライフにおいて、定年でいったん退職した後の「再就職」は、非常に難しいのが日本の現状です。それまでサラリーマン生活で身につけたノウハウやスキルも、その会社に特有の部分が多いため再就職先ではあまり評価されません。また、高齢者の就職口そのものが少なく、さらに賃金は大幅にダウンすることを覚悟する必要があります。やりたいことと賃金を両立させることは、非常に難しいと言わざるを得ません。セカンドライフの生き方を自由に決定できる環境は、あまり整っていないのです。
 調査によると、定年に際して同じ会社またはグループ会社に“再雇用”となるケースは、6割以上にのぼっています。そして、継続雇用した理由は、「今まで培ったノウハウやスキルが活かせそうだから:51%」とポジティブなものもありますが、「環境を変えたくなかった:37%」「別の会社の職場や人間関係に慣れるのは大変そう:13%」「他に自分のやりたいことができそうな就職先がなかった:12%」など、前向きに自己決定したとは言い難いネガティブな理由が多く見受けられるのです。

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自己決定することは、幸福につながる。
 近年、日本において、「自己決定」が幸福度を上げることが、調査により明らかになりました。経済産業研究所が国内約2万人のアンケート結果を元に、幸福感と幸福感を説明する重要な要因を分析したところ、所得や学歴よりも「自己決定」が強い影響を与えることが分かったのです。

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自己決定によって進路を決定した人は、自ら努力することで目的を達成する可能性が高くなります。また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心によって幸福感が高まることにつながっていると考えられます。「自己決定」しやすい社会環境を整えることは、人生100年時代に幸福度を上げていくための日本の課題とも言えるのです。

自分の幸福のために、セカンドライフは「自己決定」したい!
 20~40歳代の言わばファーストライフは、家庭をつくり家計を支える責任もあり、職を自由に選択するのはかなり難しいことです。(できている方は、幸せです。)そして、ファーストライフとしての責任を果たせたら、セカンドライフは自分自身のために、何をやるかを自由に「自己決定」したいものです。その検討時期が、人生の折り返し地点に立つ50歳代。私の場合は、セカンドライフに農業を選んだのですが、自分で決めた以上、後悔ないよう「自分の人生は、幸福だ!」と言えるよう頑張るつもりです。

以上、Vo.6-8『幸福の危機がやってくる。「人生を自己決定する難しさ」』
*次回は『50代から幸福度を上げていく5つのポイント』をお伝えします。
 また、今までの記事もマガジンにて公開しています。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,

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