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就農には、見えないハードルがある。     8「労働負荷」

働き方として、農業にどんなイメージをお持ちでしょうか?
 農業に「悠々自適」や「晴耕雨読」といった、ある意味”楽で自由”な働き方であるようなイメージを持っている人が多くいるかもしれません。私は、実家が農業を営んでおり、幼い頃から両親の苦労を見て育ったため、農業に“楽で自由”といったイメージは全く持っておらず、「朝が早い」「家族総出で手伝う」「休みがない」「出荷のために、いつも夜なべ」といったイメージをしか持てませんでした。
 実際はどうなんでしょうか? 近年、サラリーマンは“働き方改革”が叫ばれ、残業時間の削減や休暇の取得が義務付けられている一方で、農業の働き方はどうなっているのか。アンケート調査のデータから探ってみました。

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いざ農業をやってみると、実際とのイメージギャップが・・。
 全国新規就農センターの調査によると、新規就農者が生活面で問題・課題と感じている悩みの第1位は「思うように休暇が取れない」ことです。この悩みは約5割の人が感じていると同時に、3年ごとの調査の度に、増加していることが見て取れます。また、第2位は「労働がきつい」ことで、同様に調査の度に増加しています。実態は、私が40年前から持っていたイメージと、ほとんど変わらないと思われるのです。新規就農者は、肉体的な負荷や自然や天候に縛られる時間的な不自由さがあることは、ある程度覚悟していたことでしょう。しかしながら、いざやってみると農業は、「悠々自適」や「晴耕雨読」といったイメージからはギャップが大きい仕事であったことがうかがい知れます。

休暇のスケジュールが立てにくい農業。残業規制もありません。
 もしサラリーマンが「悠々自適」や「晴耕雨読」という表層的なイメージを抱いて新規就農したなら、現実とのギャップに「こんなはずじゃなかった」と思う方が多いと想像されます。ましてや、残業が多いと言っても空調の利いたオフィスでコーヒーを片手に残業するのと、日中は暑い日も寒い日も田畑に出て働き、収穫期は出荷のための連夜の残業を余儀なくされるのとでは、肉体的な大変さは比べようもないでしょう。サラリーマンは、週休2日と有給休暇が約束されていますが、農業は天候や作物の成長次第で、決して自由ではないのです。
 新規就農して続けていくには、肉体的な負荷や時間的な不自由さを差し引いても余りある価値認識と覚悟が必要なのかもしれません。

「やることがないのが怖い」セカンドライフに、農業を。
 「
休みが欲しい」「休みには家族サービスを」そんなサラリーマンの若手世代とはうって変わって、「毎日が、休み?」「休みにやることがない」という不安が募るのが”老後”です。
 休暇の価値が転換する50代。私が、『セカンドライフ・アグリ』を推奨するのは、「やることがないのが辛い」老後ではなく、農業を通じて「毎日、忙しくて楽しい」セカンドライフをつくれると信じるからです。

以上、Vo.3-8『就農には見えないハードルがある。8「労働負荷」』
*次回は、見えないハードルの最終篇として
「農業は、続けるのもハードルが高い⁈」をお伝えします。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,


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