セカンドライフ×農業=幸福?
「人生100年時代」と言われ、農業が脚光を浴びるようになってきました。
たしかに「セカンドライフを幸せにするのに、最も相性がいい仕事は?」と尋ねられると、「農業」と答える人も多いでしょう。セカンドライフを幸福にするために、はたして農業には、どんな力があるのでしょうか?
実家が農業を営んでいる私には、幼い頃から両親の苦労を見るにつけ農業が素敵な職業どころか3Kの仕事に思え、大学進学の際に故郷を離れて東京でサラリーマンになった。本音としては「農業からの脱出」だった。ところが、50代後半を迎え、セカンドライフの入り口に立った私は、サラリーマンを卒業(早期退社)し、私は自分でも不思議なことに「農業への回帰」を決意したのです。
かつて10代の頃の私は正直、農業について「肉体的にたいへんな割に、収入が少ない」というイメージしか持てませんでした。50代になった今、友人や仕事仲間に「まもなくサラリーマンをリタイアし、農業をやろうと考えています」と話すと、こぞって「いいですね。うらやましい」という返事が返ってきます。「いいですね」という理由は人によって様々で、自然とのふれあいを言う人もあれば、のんびりと暮らすことへの憧れを言う人、また定年がないことに言及する人もいる。「農業には、セカンドライフを幸福にする多くのポテンシャルがある」と気付いたのです。
首都圏近郊の40歳から70歳未満の男女に「農業や農村とどういった関わりを持ちたいか」を尋ねたアンケート調査からも、数字では語れない価値があることが分かります。農業を経済的な価値よりも、例えば「心身をリフレッシュさせたい」といった、精神面の価値を多くの人が評価するようになったのです。
「人生100年時代」を迎える日本において、農業には、自然とのふれあい、地域社会との関わり、健康的で自由な働き方、故郷回帰など、生き方の豊かさを考える上での様々なポテンシャルがあると考えられます。特にセカンドライフの働き方として、農業は都市部のサラリーマンの多くが抱えてきたストレスから解放してくれる多くの魅力を持っているのでしょう。
実際に、私と同世代の方々から、「実はサラリーマンを卒業して、農業をやりたいと考えています」といった声が聴こえて来るようになりました。そんな人生100年時代とセカンドライフを目の前にして農業を志す方々と、農業のポテンシャル、課題、より幸福なものにする方策などを共有し励まし合っていきたいと考え、この連載をはじめます。
以上、Vo.1『農業には、経済性では語れない価値がある。』
*次回は、「農業のポテンシャル①:一生現役」についてお伝えします。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,,
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