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幸福の危機が、50代にやってくる。     その3「コミュニティの喪失」

失いかけて悟る、人とのつながりの大切さ。
 50代のサラリーマンに、危機感を抱かせる要素として、“コミュニティの喪失”があります。日本独自の終身雇用制度によって、ひとつの会社に30年以上にわたって慣れ親しむことが多いために、会社が唯一のコミュニティとなっているケースが珍しくありません。すなわち定年は、「コミュニティを失い孤独になる」という失業とは異なる、もう一つの側面があるのです。50歳代になると、同窓会が増えると聞きます。これは、会社というコミュニティが失われつつあることを察知し、旧知の仲間とのコミュニティを復活させようという試みでもあるようです。

”やりがい”がなくとも、会社に居続けたい心理の裏に・・。
 50歳代サラリーマンに対する意識調査によると、7割近い人が「定年まで、今の会社・組織で働きたい」と答えている一方で、実は7割以上の人が「仕事のやりがいについて、50代になってから見つけたものはない」と答えています。このことは、「仕事のやりがいを感じなくなっても、ずっと今の組織に属していたい」という心理の表れであり、コミュニティを失う不安の裏返しとも言えるでしょう。

コミュニティの喪失1

さらに、50代・60代サラリーマンに行った別の調査では、6割以上の人が「定年後も同じ会社組織で継続雇用を希望する」と答えています。まさに継続雇用は、コミュニティを失うことの回避行動のひとつだと考えられます。

コミュニティの喪失2

農業を通じて、新しいコミュニティづくりを。
 幸福度において、“人とのつながり”がもたらす要素は、非常に大きいと考えられます。50代で就農する『セカンドライフ・アグリ』では、農業を通じて地域の人々と新しいつながりをつくることや、故郷の幼なじみや親類・家族との協力関係や心の絆を再構築することが、大きな意義を持っていると考えます。会社で培われたコミュニティを離れても、採れた米や野菜をプレゼントしたり販売することで旧交を温められることもあります。『セカンドライフ・アグリ』は、新しいコミュニティづくりへのチャレンジでもあると、私は考えています。

以上、Vo.6-7『幸福の危機がやってくる。リスク3「コミュニティ喪失」』
*次回は、『リスク4「人生を自己決定する難しさ」』をお伝えします。
 また、今までの記事もマガジンにて公開しています。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,


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