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農業の現状と問題点を考える。その4:「若手の就農支援」

苦境に立つ農業。国は若手の就農支援をしていますが・・。 
 前回まで農業の現状と主な問題点、「農業従事者の減少」「高齢化」「耕作放棄地の増加」の3点について伝えしてきました。そして、国(農水省)は、こういった農業の苦境に対して、若手の就農者を増やすための支援事業を行っています。例えば、「農業次世代人材投資事業」は、次世代を担う農業者となることを志向する者に対して、就農前の研修を後押しする資金(準備型:2年以内)及び就農直後の経営確立を支援する資金(経営開始型:5年以内)を交付してくれます。要件を満たせば年間最大150万を最長7年間、受給できるのです。
 ところが、新規自営就農者数を見ると、49歳以下の若い新規就農者は、ここ10数年間ずっと60歳以上の新規就農者の半分にも満たない数で推移しているのが実態です。

若手の就農1

支援しても、伸びない若手の就農。
 そこで国は支援の対象者の条件について、2019年より就農時の年齢が原則45歳未満から50歳未満に拡大し、支援の幅を広げるといった施策を追加しました。さらに、国は「農林水産業地域の活力創造プラン」として、50歳未満の農業従事者を2023年までに40万人以上に引き上げる目標を掲げています。
 しかしながら、若手の就農者数の目標と実際の数とのギャップは、下記のグラフのように広がる一方なのです。

若手の就農2

なぜ、若手は農業を目指さなくなっているのでしょうか?
 若手の新規就農を阻んでいる障壁は、どういったところにあるのか。次週から「就農の見えないハードル」と名付け、数字的根拠などをまじえて”見える化”しようと思います。そして、具体的な解決策や改善につながる方策を探る一助になればと願っています。
 50歳代の私が『セカンドライフ・アグリ』を通じて、若手の就農支援にプラスになればと願うことは、「農業=かっこ悪い、地味、慣習に縛られている」といったアクティブさに欠けるイメージを払拭することです。かく言う私も正直言って、実家の農業についてネガティブなイメージを持っていました。「高校時代に東京の大学に行って東京で就職するぞ!」という、言わば”脱農業”を目指して上京し、30数年間サラリーマンとして過ごしました。「農業は、定年後の老人が田舎でのんびりする仕事」という面は価値あることですが、若者の心の中で一義的に定義づけられては、今後も就農する若者がますます減ってしまうでしょう。かつての私のように。

若手が憧れる農業を、人生の先輩が見せようじゃないか。
 だからこそ、私たち人生の先輩ができる就農支援策は、「農業は、新しいこと、新しい自分に挑戦できるワクワクできる生業なんだ!」ということを魅せることと思っています。
 若手の見えない就農ハードルに、50代の元サラリーマンなら、そのハードルをどのように越えられるのか? そして、ワクワクしながらアクティブに挑戦する姿で「その先の人生って、楽しいぞ!」と後ろ姿でエールを贈れるように。就農する皆さん、頑張って楽しみましょう!!

ユニフォーム姿

以上、Vo.2-4『農業の現状と問題点を考える。その4:「若者の就農支援」』
*次回から、Vo.3:「就農には見えないハードルがある」をお伝えします。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福

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