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就農には、見えないハードルがある。     5「差別化難」

大切な差別化への想い。ですが・・
 一般的に新規就農する人には、「品質で差別化したい、自分ならではの作物をつくりたい」という想いがあります。中でもトライすることが多いのが、『有機農業』です。
 新商品開発にあたる“品種改良”は、別々の品種をかけ合わせることで新しい品種を生みだす交配育種が必要であり、それには何十年もかかることも珍しくなく、新規就農者が個人で成し遂げるのは不可能に近いと言わざるを得ません。それに対して、生産工程での差別化にあたるのが『有機農業』です。農薬や化学肥料を使わずに栽培して、より安心・安全な野菜の提供を目指す『有機農業』は、若手の就農者がトライするケースが多く、新規就農者の約3割が取り組んでいます。

差別化難1

例えば「有機農業」の苦労は、こんなにも。
 ところが、有機農業には
・手間がかかる上に病害虫等による品質や収量の低下が起きやすい。
・消費者の理解が十分でなく、手間やコストを価格に反映しにくい。
・価値のわかる消費者に届ける販路を、生産者自身で開拓する必要がある。
・JAS規格に適合した生産を3年以上続け、認定を受ける必要がある。
といった課題があります。
 その結果、有機農業を始めても、数年で断念するケースも多く、有機農業を行う農家数は、総農家数の約0.5%に留まっています。

差別化難2

 差別化のためには生産だけでなく、「誰に、いつ、どう、いくらで届けるか」、販路開拓やブランディングなどマーケティング視点での新たなトライが必要です。残念ながら差別化と付加価値の創出は、ハードルが高いと言わざるを得ないのが実情です。

差別化には、生活者(消費者)視点が大切。可能性は∞
 私が推奨する『セカンドライフ・アグリ』は、長年のサラリーマン生活で培われた「もっとこんなサービスがあったら?!」といった生活者ニーズをくみ取るピュアな感覚とそれを解決する経験と知見を活かして、農業に少しでも新風を吹き込もうというものです。生産だけでなく、加工、販売など、差別化の方法は無限大と期待しています。あきらめずに挑戦あるのみです。

以上、Vo.3-5『就農には見えないハードルがある。5「差別化難」』
*次回は、ハードル6「地域格差」をお伝えします。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,

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