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農業は、続けるのもハードルが高い⁈

農業をはじめた若手、5年以内にその3割がやめてしまう。
 新規就農しても、農業は続けるのが難しい。そんな事実を物語る調査データがあります。2015年の農水省経営局の統計調査によると、39歳以下の新規就農者は約1万5千人で、そのうちの約3割の人は5年以内に離農、つまり長続きしないのです。

生計が立てられるまでに、数年かかるという実態。
 では、なぜせっかく農業に就いたのに、続けることができなかったのでしょうか?その理由を調べてみました。農業所得で生計が立てられるようになるには、想像したよりも時間がかかります。全国新規就農相談センターの調査からも、就農1年目には8割以上の人が農業では生計が立てられず、就農5年以上にして約半数がようやく農業で生計が立てられるようになることが分かります。

続けるハードル1

 さらに、農水省の「農業を断念した理由」の調査から、「十分な収益が得られなかった」ということが、理由の一番であることが確認できます。年齢を問わず「農業は想像した以上に儲からない」という実態があることが分かります。ましてや、あまり蓄えがない上に、これから家庭を築き子育てにも費用がかさむ若手にとっては、厳しい現実と言えます。

続けるハードル2

就農してから、長く続けるための秘訣は?
 新規就農して農業を長く続けていくためには、多くの”覚悟”が必要なのかもしれません。収益面の難しさ、体力的な厳しさ、継続的な学習など。さらに農業は、1年の季節を通じて改善策のタイミングも成果もゆっくりと巡ってくるため、ある意味”辛抱”が要求されます。そのため「農業ならではの価値を持続的に評価し、大切にし続けられること」が課題となるでしょう。
 このことについて私は、ライフステージと大きく関係していると考えています。これから家庭を築き、子育てをしていく世代における”収益”への期待と、セカンドライフを迎える世代のそれとは比べようもないでしょう。実際に私も、就農を覚悟するのに50代となるまでの多くの時間が必要でした。農業で稼ぎたいという欲もありますが、収益に対するプライオリティを下げられるようになったことに、自らのライフステージの変化を実感しています。
 しかしながら、仕事において”収益”は何よりも強い評価基準となりがちです。セカンドライフにとって農業の様々ないいところも、その収益面から見失いがちになることもあります。そこで『セカンドライフ・アグリ』では、そのためのセルフ・マネジメント指標を設けることが必要と考え、『持続性幸福度』という指標を創りました。詳しくは、シリーズ後半でお伝えしたいと思います。

以上、Vo.3 番外篇『農業は、続けるのもハードルが高い⁈』
*次回からは、就農の見えないハードルを越えるための考察
「50歳代は、農業適齢期?」をお伝えしていきます。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,

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