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こうすれば越えられる、就農ハードル!クリア⑧「健康寿命」

『人生100年時代の到来』と言われますが・・・
 日本人はどの程度、長生きになっているのでしょうか。厚生労働省の推計によると、平均寿命は2020年に男性80.9歳・女性87.6歳のところ、2030年には男性81.9歳・女性88.6歳、さらに2050年には男性83.6歳・女性90.3歳に延びるとされています。つまり「30年後には、男性は85歳くらいまで、女性は90歳くらいまで長生きする」ことが普通になるのです。

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 「人生100年時代」とは、どういった時代なのでしょう。
 おそらく、今までに経験したことのない課題に直面する時代です。
これまでは人生設計において、現役世代を60歳定年と考え、その後の人生を“老後”と呼び、“余生”を楽しむことが、ひとつのライフスタイルとされてきました。ところが人生が100年もの長きにわたると、そうもいきません。定年が65歳に延長されても、人生は約30年も続きます。老後と呼ぶには持て余しそうな活力があります。さらに、30年もの余生を送るには貯蓄や年金だけでは十分と言えないでしょう。国も年金支給の開始年齢を延長したり、支給金額を見直したり、政策の修正を余儀なくされています。

老後という考え方を捨て、「健康寿命」を伸ばそう。
 これからは人生設計において、“老後”および“余生”という概念を捨て去るべきではないでしょうか。そして、従来の現役世代を“ファーストライフ”と呼ぶならば、それに続く30年以上にわたる“セカンドライフ”をどう充実させるかを考える意識転換が必要と感じています。
 セカンドライフを幸福なものにするために、最も大切なものは「健康」です。50歳を越えたあたりから同年代との会話に自虐的な”病気自慢”が増えたりしますが、せっかく長生きしても、“医者がかり”の生活が長いのでは、幸福とは言えません。そこで、“健康寿命”について考えてみましょう。
 健康寿命とは、WHOにより「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されていて、平均余命と健康寿命の差は日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。問題は、この差が男性で約9年、女性で約12年にもなっていて、さらにこの差はほとんど縮まることなく推移していることです。

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農業には、健康寿命を伸ばす効果がある!
 昔から「農業をやっている人は、健康で長生きだ」と言わますが、実際にはどの程度、“健康かつ現役”でいられるのでしょうか。
 この疑問に答える研究報告があります。早稲田大学の重点領域研究機構の持続型食・農・バイオ研究所の調査によりますと、農業に従事する後期高齢者1人当り医療費はそれ以外の人の約7割と少なく、農業に継続的に従事する生活環境のおかげで、良好な健康状態が長期に保たれるとのこと。就農のハードルに「労働負荷」が高いことがありますが、健康で長生きするための”筋トレ”のようなものかもしれません。

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 また、寿命(死亡年齢)の長さも、自営の農家が際立っており、特に男性の自営農業者はそれ以外の人よりも約8歳も長生きしています。さらに、仕事に従事していた”現役年齢”は、農業以外の人の多くが定年退職の年齢を挙げているのとは異なり、自営農業者は男性で平均74.2歳、女性で72.8歳と、それぞれ約10年も現役時代が長いことが報告されています。昔から「農家は、健康で長生き」と言われますが、この調査結果からも、農業は豊かなセカンドライフづくりに適していると証明されています。

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農業で目指そう。幸せな”ピンピンコロリ”
 セカンドライフにおいて、“健康で一生現役”でいられることは重要なテーマです。私も、豊かなセカンドライフのために農業を選んだのは、何よりもこの点を重要視したからです。「人生最大の配偶者孝行、子供孝行は、“ピンピンコロリ”。寝たきりなど家族に世話をかけずに、長く健康で幸せにコロッと逝こう」このことは、人生100年時代に求められる豊かさの本質でもあると考えています。

以上、Vo.5-8『こうすれば越えられる、就農ハードル!⑧「健康寿命」』
*次回からは、農業から少し視野を広げて
 セカンドライフを『幸福学の視点で考える』についてお伝えします。
 また、今までの記事もマガジンにて公開しています。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,


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