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人生100年時代のための幸福学     Ⅱ「国連と日本の幸福度研究から」

気になるわが国の幸福度ランキングは?
 「幸せは本人次第。他人と比べるものじゃないよ。」とは言うけれど、自分の”幸福度”ってどのくらいなのか、時々考えてしまいます。毎年、国連の関係機関から世界幸福度ランキングが発表されますが、日本の幸福度も気になるところです。国によって政治的情勢や経済状況、伝統文化、宗教観など、ライフスタイルや価値観が大きく違う中、国の幸福度をどのように評価しているのでしょうか。それは、意外なほど単純で、基本的には主観的な世論調査の平均値を比較しています。

実感よりも低い日本の幸福度ランキング
 2020年の日本の世界幸福度ランキングは、なんと第62位です。この数字だけを見れば、日本は幸せな国とは言えないような結果で、治安が良く親切で勤勉な国民性を誇りに思っている日本人としては、やや実感とかけ離れているようにも思えます。いったい、どういった点が日本の幸福度を下げているのでしょうか。

幸福度研究1

日本の幸福度が低い理由とは。
 国連の幸福度ランキングは、主に6項目における国民の主観的評価が元になっています。6項目のそれぞれの順位を見てみましょう。すると、項目によって順位が大きく異なることが見て取れます。日本は、「健康寿命」は堂々の第2位、「人口あたりのGDP」が第24位とまあまあですが、その他の項目では30位にも入らず、中でも「人生における選択の自由」が64位、「寛容さ」は第92位と足を引っ張っています。
 日本には、諸外国には稀な”終身雇用制度”が定着しており、”転職”が困難と言われています。自由にやりたいことをやって生きていくという幸せを、安定のために犠牲にしているのかもしれません。また、日本は失敗に対して不寛容と言われ、失業はもちろん、転職、退職という言葉にさえネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
 私が『セカンドライフ・アグリ』を提唱する理由のひとつは、「50代までは家族の生活のために精一杯がんばったら、セカンドライフは”人生における選択の自由”を行使して、自分のための幸せづくりをしてもいいじゃないか」という考えからです。人生設計の自由化と言えるのかもしれません。

なんと日本政府も、幸福度について研究していた。
 人生100年時代を迎える日本、セカンドライフには、”幸福度”が重要な指標(ものさし)になると考え、日本の幸福度研究についても調べてみました。
政府の機関が、日本の国民性に合った幸福度について研究し、国民生活をよりよい方向に導く方法を思考していたことを、ご存じでしょうか。日本の幸福度への取り組みは1970年代から始まり、現在は、内閣府に研究機関が設けられ、定期的に研究報告がなされています。

幸福度研究2

セカンドライフをハッピーに生きるヒントが!
 政府の機関による幸福度研究の主な実証分析結果には、下のようなものがあります。その中には、人生100年時代をハッピーに生きるヒントが多くあるように思います。

幸福度研究3

 上の内容をセカンドライフに当てはめると、「日本は長寿国なのに、年齢とともに幸福度が低下。幸福度を上げるには所得だけではダメで、高齢になっても失業せずに社会との調和が得られる環境づくりが大切である」と言い換えられます。
 『セカンドライフ・アグリ』は、50代で就農して一生現役を目指し、地域とのつながりを大切にしようというスタイル。幸福度を上げるための「高齢になっても失業せずに社会との調和が得られる環境」とは、まさに農業の特長です。農業のもつポテンシャルと幸福度研究の分析結果を考え合わせると、農業がセカンドライフをハッピーに生きる有効な手立ての一つであると示唆してくれているようです。

以上、Vo.6-3『国連と日本の幸福度研究から』
*次回は、『大切なのは、幸せの持続性』についてお伝えします。
 また、今までの記事もマガジンにて公開しています。
#セカンドライフ , #農業 , #人生100年時代 , #幸福 ,

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