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【癌、ガンでも前がん状態3】また振り出しの「魂の牢獄」

抜糸もしていない状態で、手術後3日目での無理矢理の退院。

帰りの車の助手席で、わたしは夫に反発の言葉を発した。私の車なのに、こんなことなら自分一人で無理にでも運転して、駆け込み寺にでも逃げ込みたかった。

大人の発達障害(後にわかることになる)の夫は、話の内容なんかよりも、「騒音」としか聞こえていないらしい。

夫は、
「一言もしゃべるな❗️」
と言いながら、運転席のドアの内側を
激しく殴った。

それはわたしがいつも受けている、肉体への暴力と同じ心理効果があった。

帰るまで、峠道を越え、長い時間わたしは無言で、唇を噛み締めながら、これから待っている

「魂の牢獄」

につれていかれるのを、恐怖でひきつった顔で涙も声もこらえた。
お腹の痛みよりも心の奥が痛かった。

医師の言っていた、
「悪性度の高い絨毛性疾患」
と言うのがどんなものなのか、調べたかったがあいにくわたしのスマホは夫に取り上げられたままである。

医師は、これから抗ガン剤をやり始める、と言っていた。
だが、もう病院にも戻れない。

夫は自分のスマホが未払いで止められているので、わたしのスマホの電子マネーやIDを好き勝手に使って借金し、

結婚前のわたしの貯金を下ろしたりする為にスマホを
取り上げたのだ。

アパートの部屋に着くなり、またもや生き地獄が始まった。

夫は、

身体が辛くて布団になだれ込んだわたしの両脚を持ち上げ、

無言で膝に体重をかけた。
シャンクフードが大好きな夫は体重がかなりあった。

ギリギリ、バキッ、
という
鈍い音と共に、

本来なら曲がってはいけない方向に膝が曲がり、激痛が走った。
そして、もう片方の膝にも。

わたしは、自分の脚でここから逃げることが出来なくなった。


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