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『実験の民主主義』読書会 2024年2−3月

坂口緑先生が、「思いつきで始めた」という『実験の民主主義』の読書会。全三回が終了。一回が2時間弱という骨太の読書会で、私以外の参加者は、『実験の民主主義』で言及されているさまざまな研究者(トゥクビルとか)をよくご存知の方々でした。

民主主義に関しては、きちんと学んだことはなかったのですが、振り返ってみると、徳島県小松島『まちづくりのリビングラボ』で出会った岡山大学の岩淵泰さんから色々と学んだり(「岡山まちづくり探検〜地方創生時代の市民活動集〜」 )と、細々と関心を深めてきたのですが、どちらかというと生活者視点の民主主義学習者の域をでておらず。デンマークでの毎日の生活でなにこれ?と思うところから始まることからの模索が多く、系統立てて学びたいなと思っていたことから飛び込んだわけでした。

宇野先生の『実験の民主主義』は、若林恵さんとの対談形式で、トクヴィル、ロック、ウェーバー、ロザンヴァロン、グレーバー、BTSのファンダムなど、名前しか聞いたことがない、もしくは全く知らないという、重要な用語に対する予備知識が全くないところで参加し、議論を混乱させていたのではと今更ながら恐縮です。知識も基礎もない私が貢献できることは日常生活から考えた民主主義の視点しかないので、デンマークで感じたことや経験したことをたくさん話すことになったわけだけれども、それを政治学の視点や枠組みで整理してもらったことがとても良い経験となりました。

備忘録として記録しておきます。

良かったこと:

  • 18年の日常生活における民主主義の体験から学んでいたことに対し、言語化ができ、枠組みに当てはめることもでき、解像度が上がった。

  • Foreningとアソシエーションが繋がった。フォイーニングは、デンマークではAssociationと訳されている。ただ、感覚的に私はわかりにくいと感じていて、勝手に「NPOのようなもの」と翻訳してしまっていたが、アソシエーションという言葉を使う必要があることがわかった。アソシエーションという言葉には、簡単には言い表すのが難しい多くの意味合いが含まれているから。

  • 実験の民主主義という宇野先生の提案は、すでに、デンマークではやられている。アプローチはさまざまで、その一つは、参加型デザインでの実践、と言えそうであること。

  • 民主主義とファンダムの関係性は、わからないままだったが、ファンダムのような動きがうねりになっていることが理解できた。 

  • 民主主義の議論において、立法権(投票)だけではなく、執行権(毎日の生活での政治への参加)への着目が重要であるということを再認識できたこと。正直、再認識が必要だと著書で述べられていることは、すでに北欧の日常に組み込まれており、民主主義をデンマークでの日常生活から学んだ私は、「民主主義は投票である」という考えをしてなかった。つまり、日本で「民主主義は投票である」と捉えられていることは、グローバルな政治学では一般的ではないのでは?と考えられたこと。

最終回は対面で(でも私はリモート)。

そのうち、また勉強の機会があればと願う。

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