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『書くのがしんどい』
書くのはしんどい。何を書いたらいいのか、どう書いたらいいのか、書いても読んでもらえない…書くのがしんどい原因を解決する具体策を示す一冊。これらのテクニックを身につければ、書くのがしんどくなくなる・・・かもしれない。
今回読んだ本は『書くのがしんどい』(竹村俊助 著)
読書のきっかけ
ライティングに関する本を探していて、良いレビューが多かった。
noteをフォローしていて、著者の文章が好きだったから。
何について書いてある本?
何を書いたらいいのか ⇒ ネタ集めが肝心
伝わる文章とは ⇒ 読む速度と理解する速度が同じ文章
読まれる文章にするには ⇒ 客観視して自分が読みたいと思える文章に
おもしろい文章を書きたい ⇒ 共感、発見、感動の展開とタイトルに工夫
ハイライト
・ネガティブ感情はポジティブに変換して発信する
「不機嫌な上司うざい」→「ご機嫌な上司がいいよね」
言い換えの技術だが、これはコミュニケーションにおいても非常に参考になる。
本を読んでから実践してみて、僕の場合、ポジティブ変換をする際には、ひとつの”問い”を自身に投げかけていることに気がついたので紹介する。
「グチばかり言う部下はダメだ」という考えが頭に浮かんだとき。
ポジティブに言い換える・・・と思っても、すぐにポジティブワードが出て出てこない。
では、この文章の”ネガティブ”な部分はどこだろうか。
「グチばかり」はネガティブではない。実際にグチを言うことを奨励するリーダーもいるし、グチ自体がネガティブなわけではない。
この文章のネガティブワードは「ダメだ」である。
「ダメだ」は客観的な評価ではなく、私自身のネガティブ感情である。
この部分をポジティブに変換して、質問をする。
「私はどんな部下と仕事がしたい?」
「ダメな部下=一緒に仕事をしたくない部下」の逆は、「一緒に仕事をしたい部下」である。
そこで先ほどの質問だ。
「私はどんな部下と仕事をしたい?」
この問いによって、「(グチばかりではなく)前向きな提案をしてくれる部下と仕事したい」という答えがすんなりと出てきた。
よって、「グチばかりいう部下はダメだ」のポジティブ変換は、「前向きな提案をしてくれる部下と働きたい」となる。
この思考習慣を身につけると、日常のコミュニケーションで大いに役立つ。ネガティブな考えを頭の中でポジティブに変換してから発信すると、聞く人の印象が全く変わるからだ。
「グチばかり言わないでくれ」と言われるよりも「前向きな提案をしてくれる人と仕事をしたい」と言われた方が、素直に受け取れる。
・わかりやすい文章は、読む速度と理解する速度が一致する文章である。
削れるものは削りなるべくシンプルに。「とても」「思います」「~ですが」「~なので」「~という」を取り、分けられる文章は分ける。文章の重心を先頭にもってくる。
たしかに。心地よい文章は読む速度と理解する速度が一致している。一方、文字は追えても、全く情報が入ってこない文章もあり、それを読むのは苦行である。
苦行の代表例が、法律の文章だ。
法律が改正されると、関係省庁が出す「解釈通知」に加え、多数の「解釈サイト」「解釈本」「解釈セミナー」が出回る。
そもそも、法律が誰にでも理解できる文章で書かれていれば、そんな無駄は発生しないのに。と思うが。
個人のブログでも、上記の「省けるワード」がふんだんに盛り込まれている文章は読みにくい。かくいう僕自身も無意識では、かなり使っている。
ただ、これらは執筆よりも、推敲の段階で意識したい。なぜなら執筆と推敲を同時に行うとどうしても筆が進まなくなるからだ。
まずは書きたいことを書く。そのあとに推敲して無駄を削る。その流れが僕には合っている。
・共感8割、発見2割。相手がわかっていることで共感させてから、斬新なことを言う。
「結論→共感→発見→感動」の構文
この本で最も大きな気づき。書き換えの例文も見事だった。こういう風に文章を書けるようになりたい。
ただ、これは凡人にはすぐに真似できるものではない。
良い文章は、読んだときに引っ掛かりがないので、自分にも書ける気がしてしまう。でも、書けない。不思議なほど書けない。
おそらく圧倒的な練習、経験の差だろう。生まれ持った才能の差だけではないと信じたい。
その後に書いてあった「自分しか知らない事実こそ、オリジナリティが出ておもしろい」ということばを励みに努力しよう。
自分の持っている情報の価値は自分ではわからない。発信して評価されることでわかる。
自分にとっては平凡な情報が、他人からみたら貴重で有益な情報となる場合がある。特に仕事に関わる情報の場合、周りには自分よりも詳しい人がいるし、自分の周りの多くの人が知っているので、こんな当たり前の情報に価値があるとは気づかない。
当然すべての情報がキャッチされるわけではないが、たくさん発信をしていれば、拾われる可能性は広がる。
この本をどう活かす?
なにごとも、練習なくして上達しない。それは文章も同じだ。
そして、もう一つ大事なことは、「正しい練習」をすることである。
自己流の間違ったやり方でどれだけ練習しても、成長は頭打ちになる。この本に書いてあったポイントを参考に、正しい練習を繰り返し、人に読まれ、人の役に立つ文章を書けるようになりたい。
こういう人におすすめ
「自分の仕事は文章を書くことではない」と思いつつ、伝わる文章が書けずに困っている人におすすめしたい。
文章の目的は伝えることである。人間はお互いに言葉を用いて伝えることで進化成長してきた。だから、どんな人も言葉とは無縁ではいられない。
本書を使えば、独学で文章を練習するよりずっと簡単に、わかりやすい文章を書けるようになるだろう。
めでたしめでたし
立崎直樹
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