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読書レポ|とにかく仕組み化

組織の歯車になれ。
上に立つ者は、歯車がうまく回る仕組みをつくれ。

このメッセージだけをみた人からは「人はモノじゃないんだ!」という反発の声が上がりそうだが、本書を最後まで読むと、その真意がよくわかる。

とにかく仕組み化――人の上に立ち続けるための思考法
安藤 広大 著

組織に属する最大にして唯一の目的は、一人では成し遂げられないことを成し遂げることである。
それは夢や理想の実現といったキラキラしたものだけではない。
「他に就職口がなかったから、ただお金を得るために介護の仕事に就いた」ということも含まれる。もし組織(事業所)に属していなければ、個人で事業所を立ち上げ、個人で介護をさせてくれる人を探し、個人で介護サービスを提供することになる。ただお金を得たいだけの人が、そこまでの労力をかけるだろうか。組織に属しているからこそ、仕事が与えられ、それに対して給与を受け取ることができるのだ。

組織には理念がある。
組織とは、同じ理念を追求する人の集団である。
経営者やマネジャーは、メンバーに理念を浸透させて、その実現のために人を動かす。 
多くの人を同じ理念の実現に向けて動かすために必要なのが、仕組み化である。

仕組みは、一人ひとりが考えながら行動する際に、その理念に向かうための道から外れないようにするためのガードレールの役割を果たす。

仕組みやマニュアルの本当の価値を理解していない場合、仕組み化を「勝手に考えるな。言われた通りにやれ」という意味に受け取ってしまうかもしれない。
しかし本来は「ガードレールの内側で、安心して自分の考えで行動できるようになる」ところに仕組みやマニュアルの価値がある。

また、人は弱い。
自然にありのままにしていたらラクな方へ流れる。
それを意識ではなく、仕組み化することで、がんばらなくとも行動できるようにするのも、仕組み化のメリットだ。

とにかく、人の行動や思考を「個人の意識」の問題にせず、「組織の仕組み」の課題として捉え、仕組みを改善することで、組織の理念の達成、個人の成長を実現しようとするのが、仕組み化の目的であり、本書の意図なのだと、僕は受け取った。

組織の理念に向かって、メンバーが自分の頭で考えて、行動できるように、マネジャーとして仕組みを整えていきたい。

めでたしめでたし

立崎直樹

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