言わなくても動くスタッフの育て方
リーダーがスタッフに対して抱く期待について、”それは幻想だよ”という、夢も希望もない話です。最後には夢を持って締められるようがんばるので、最後までお付き合いください。
「やったことあるんだから、いちいち説明しなくてもやってほしい。」
これはリーダーの99.98%が抱く期待です。
と同時に94.46%が打ち砕かれます。(※数値は立崎の経験値による)
ほぼ幻想なのに、なぜ期待をするのでしょう。それは、あなた自身に「私は言われなくても動いてきた」という自負があるからです。私ができるのだから他の人もできるはずと。
しかし、大変言いにくいのですが、あなたも今まで上司から「どうして言われないと動かないんだ!?」と思われていたんですよ。本当です。(直球!)
もし「絶対にそんなことはない」というのなら、あなたは特別な人。天才です。天才はほんの一握りしかいないので、他の人が同じように行動することはできないことを知ってください。
私のような凡人は、言われないと動けないのです。いや私だけではありません。「あなたも含め多くの人が、言われないと動けない」と覚えておいた方がよさそうです。
ここからは希望の話。
でも、実際にリーダーがいちいち指示しなくてもスタッフが自発的に動いている(ように見える)チームがあります。
私は今、2か所の老人ホームの責任者をしています。2か所の距離も離れているので、私が全てに目を光らせ、指示をすることは不可能です。
それでも実際にスタッフたちは自発的に動いてくれます。
外から見ると、私が何も指示しなくても動いているように見えます。そう見えるのは大変うれしいことなのですが、そこまでの過程があります。
私は各部門の責任者たちが理解できるまで、何度も方針を説明し、そのうえで具体的な手段を検討するよう指示をしています。部門の責任者たちが動き出さなければ、原因は私の説明不足か指示不足です。
同じことを何度も言うのはウンザリすることもあるけれど、理解できるまで伝えることが管理職の仕事だと割り切って、根気強く同じ話をしています。自分が飽きるのと、メンバーに伝わるのとどちらが早いかという勝負です。
同じように介護職員が自分で考えて動けるかどうかは、介護部門の責任者の根気強い説明と指示にかかっています。
スタッフが自主的に動かないから、管理職が自ら動かなければならないと考えて動くリーダーがいますが、私から見ると、理解できるまで説明するという管理職の責任を放棄して自分で動いているように映ります。
スタッフが自発的に動けるようになるには、「この場面、立崎さんだったらこういう指示をするに違いない」と管理職の考えをスタッフが容易に想像できるレベルまで理解を浸透させる必要があります。そのレベルにたどり着くと、管理職としては楽です。超気持ちいいです。そうすると管理職は、管理職でなければ判断できない課題に集中することができ、チームとしての生産性が上がります。
新しい部署のチームのリーダーになったときには、もう一度イチから説明が必要です。何度も何度も説明します。メンバーが自発的に動かないのは、メンバーが悪いのではありません、リーダーの説明がまだ不足しているだけです。
繰り返し説明することによって、メンバーはリーダーの考え方を吸収し、成長していきます。つまり日々の説明は人材育成であると思っています。
このnoteもテーマは毎回変わりますが、主旨としては似たようなことを何度も伝えています。そのうち、僕の代わりにnoteを書いてくれる人が出たら面白いかも…幻想です。
立崎直樹
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