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新しい取組は、”全員思考”を捨てて、小さくはじめよう

新しいことを始めるときは、不完全でも、限定的でもいい。

完璧に準備で来てから、全員に対応できるようになってからと考えると、スタートを切れなくなってしまいます。

どんなに完璧と思えた計画も、想定外のことが起こり開始初日でその計画が破綻することはあります。あくまで計画は計画で、「やってみなけりゃわからない」ことはどうしても起きるんです。

6~8割の計画と小さくはじめる準備が整ったらはじめるぐらいでいいと思います。はじめたら、実行しながら、修正して、続きの計画を立てて、また実行…。

新しいことをはじめるときには、「例外なく」と「全員」というワードを頭から捨てることも必要です。特に「リーダーはいつでも全体をバランスよく見るべきと」いう固定観念を持ったリーダーは、この「全員」の罠に引っ掛かります。


たとえば高齢者施設において、入居している人がもっと活き活きと過ごせるように、その人たちにも日常生活の中で何か役割を持ってもらおう、という方針が出たとします。

このとき「Aさんは身体が動くから何でもできるけど、Bさんは動けないから役割を持ってもらうことは難しい、だからこの方針は現実的ではない」と言ってしまうリーダーがいます。

確かに、心身機能を考えるとBさんの役割を見出すのは難しいかもしれません。しかし、それが「役割を持ってもらう」というチームの活動方針を否定する理由にはならないことにお気づきでしょうか。チームとしてはBさんのことはいったん置いといて、まずはAさんができる役割を考え、実行すれば良いのです。

最初に「Bさんには難しい」と言って方針を否定してしまった人は、Aさんが役割をもって活き活きと輝きだすと、自分の主張の誤りが露呈してしまうので、「でもBさんはできていないじゃないか」と言わざるをえなくなってしまいます。その後もこのリーダーが考え方を改めなければ、やがてチーム方針の不成功を願う(チームの足を引っ張る)残念なリーダーになってしまいます。


メンバーの中にも「Bさんには難しい」と言う人は現れます。

その時リーダーは、新しい取り組みに関する最初の合格ラインを提示します。「ここまで届けば、一歩目としてはOK」と。

この場合なら、「まずは簡単に目標を達成できそうなAさんが、役割をもって過ごせるようになったらOK。一番役割を見出すのが難しそうなBさんは後から考えよう」と合格ラインと優先順位を示します。


良いと思ったことは、どんどん始めるというのが、僕の考え方です。

はじめてみてダメなら路線変更も、中止もOK。「この方針は、こういう理由でうまくいかなかった」と振り返り、それを経験値として蓄積すれば、立派なチームの財産になります。

小さな規模でうまくいったら、修正しながらだんだんとその適応範囲を広げ規模を拡大していく。これが個人としてもチームとしても最速で成長する方法です。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

立崎 直樹

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