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読書レポ| 本当にこまったときに使える 小さな会社の社長のための問題解決マニュアル

あたたかい
読み終えた第一印象は、この言葉だった。
メッセージそのものはとても情熱的だが、この本から伝わったのは、著者の福島正伸さんの人柄、あたたかさだった。

本当に困ったときに使える 小さな社長のための問題解決マニュアル 福島正伸 著

福島さんの持論がギュッと圧縮されて詰め込まれた第1部
「努力を続ければ実現する」「夢をもて」というメッセージは、自己啓発系の空虚な理想論に聞こえるかもしれない。
本来であれば第1部だけで、1冊以上の本になる内容が、短い文量に詰め込まれているのだからなおさらだ。

しかし、これらのメッセージが空虚な理想論ではないことが、第2部を読むと分かる。

第2部は「具体的質問事例集」として、中小企業の経営者からの77の質問とその回答がテーマ別に書かれている。

第1部の抽象論を第2部の具体的事例に転用するとどうなるのかが、示される。
あくまで書面上での質問なので、問題を深掘りして課題抽出をしたり、目指すゴールを明確にするような逆質問などはない。文面から読み取れるゴールと現状をもとに回答をしていくわけだが、それでも質問者が取るべき行動や思考が非常に具体的に示されている。そして温かい。

僕は福島さんのセミナーに参加したこともあるし、本も何冊も読んだ。
けれども、経営者からの質問に対する回答は、僕の想像ずっと上を行っていた。

これが「ただ知っている」のと、「経験によって身につけている」、さらには「言語化して人に伝えることができる」の違いかと痛感した。

メンターは自分自身を磨き、お手本となること。
たくさんの具体的な回答が詰まった本ではあるが、伝えたかったのは「問題の解き方」ではなく、「問題に対する考え方、姿勢だ」と“はじめに”に書いてある通り、解決策そのものよりも、具体例を通して考え方を学ぶことができる本だった。

めでたしめでたし

立崎直樹

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