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日々蟻の巣

 最近は外に出ると、上か下かをまず見ることが多い。上は、天気の様子の確認である。近頃は突然雨が降る、が無くなり助かっている。下は、蟻の巣の様子の確認である。まだ蟻の巣穴は開いており、アリたちは活動を続けているようである△

近所には草地が多いので、蟻も住処を確保出来るらしい。アスファルトの道を歩いていると、足元にチョロチョロと寄ってきて危なかっしい。無駄に踏みたくないので避けると変な歩き方になってしまう。事情を知らない人には、あら何かしら、と思われそうだ△

今年は特に面白い発見があった。まるでハリネズミのような顔に見える蟻の巣があったのである。周りをまあるく盛り土が囲んだ中に、顔と認識できる絶妙な位置に小さな穴が三つ開いていた△

雨の時期には、雨に水没した巣穴がどれくらいで復活するかを眺めて楽しんだ。言わば他人いや他アリの苦労は蜜の味、である。前の夜から雨が降った日、昼間巣穴見ると水没しており、出入り口が埋まってしまっている。ああ…と思いながらその時は通り過ぎる。しかし翌日には水没の事実は跡形も無くなっている△

唯一その事実を想起させるモノが、巣穴の周りに広がっている盛り土である。さらさらとした極小の砂の粒が、地面から掘り出されたばかりの様子を呈している。最初に巣穴が開く瞬間を見てみたいと思った。どの蟻がまず、地上を目指すのか△

空海の独鈷は水を湧出させる。先兵の蟻はあごで天を穿ち光を呼び込むのだ。

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これより上は、天声人語のルール(603字/6段落)に沿って書いてみる、に勝手にただ今挑戦しています。お読み下さり、ありがとうございました^^!


以下はその、蟻の巣です。


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