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[オーバーツーリズム②]観光と生活を両立する町とは

 さて、今回の記事では「オーバーツーリズム後編」ということで、前回の続きから解説していこうと思います。

海外客が増えた結果の「3つの悪影響」

3.宿泊施設の不足問題
 この問題は、いっけん、「宿泊施設がなくて困っています。」これだけで終わりそうですが、時代との相性がよくありませんでした。
 「Airbnb」というサービスはご存じでしょうか?アメリカで流行している
『自身の家を旅行などで外出しているときに、お金をいただいて宿泊施設として提供する』というものです。
 宿泊施設が不足している京都、自身の家ではなく、そのAirbnbに貸すために、京都にアパートを借りて、商売をする人も現れてきました。その結果、本当の住民から騒音などの苦情が各地で起きています。
 この結果、より住民と観光客との関係が悪化に繋がってしまったのです。

2.観光都市としての発展の経緯

 『なぜ、京都がここまで観光都市として発展したのか?そんなの日本の伝統的な町家などが多く残っているからだよ。』と思う人もいるでしょう。しかし、京都が発展したのは、京都の住民の努力のたまものなのです。

「京都らしさ」の追求
 皆さん、『東京らしさ』といえば?と聞かれて、即答できる人っていますか?「日本の最先端!」とか「高いビル」とかですかね。さらに、これは住民と観光客でも意見が大きく別れるでしょう。
 しかし、一方で、『京都らしさ』は答えられる人もが多いと思います。さらに、多くの人が「歴史」というフレーズを入れるはずです。
  この都市のイメージを確立させた結果、世界でも有数の観光都市に押し上げた最大の理由なのかなって思います。

ライト+ディープな観光客
 京都に何度も訪れた人は多いと思います。「え、こんなところもあったの?」みたいな発見だらけだと思います。その結果、何回も訪れているうちに京都の虜になってしまって、京都の全貌をしってるめちゃくちゃディープな客も多いそうです。

 僕の知り合いも10回以上いってるらしいです。話がそれますが、その人に「京都にある日本建築でなにが一番いい?」と聞いたら「桜はきれいだよ」と答えられました。むちゃくちゃアホな人にも京都はいいのかもしれません。

 こんな感じで、京都のコトをなんも知らないライトな人(アホも含む)も訪れる人も多い中で、何回も訪れるディープなお客さんがいます。
 この理由としては、明確な観光名所がある一方で京都という都市自体が『日本の歴史を感じれる』テーマパークのようになっているからです。

3.今後のまちづくりのあり方

 京都がここまで、住民が観光による被害が多い理由は分かったと思います。

京都というイメージを確立させ、都市全体をテーマパークのようにした

だと思います。
 このイメージを確立させようと住民が頑張れば頑張る程、より「見た目」を気にするようになり、本来売りにしたかった「文化」というものがないがしろにされてしまったのです。

「文化」から「見た目」を売るようになった京都
 その結果、昔の町並みが残る「金沢」に日本の若者は観光先をシフトしつつあります。「文化」というものだったら長き歴史のある京都が負けるわけがない。しかし、「日本らしい見た目」ならば他にもパクるコトができる。ライトなお客(外国人観光客)に舵を切りすぎた結果、日本人観光客の減少が起きたのでしょう。

2種類の観光都市

 観光都市には2種類あるかなと思います。

 一つ目はディズニーランドのようなしっかりと管理された観光施設です。周囲との文化とは隔絶し、自身の世界観をその中で演出させます。これをここでは、「一極集中型観光」と言います。

 2つめは京都のような街全体をテーマパーク化した観光都市です。その土地の歴史や文化を反映させながら世界観を作って行きます。ここでは「地域分散型」といいましょう。

ここでこの2つの種類を整理してみます。

一極集中型観光
長所:管理が容易
   比較的に簡単に観光都市にしやすい
短所:地域にお金が落ちない
   その土地の文化などに触れる機会になりにくい
   単発のなりやすい
地域分散型
長所:文化などを触れる機会がある
   地域全体にお金がおちやすい
   持続的に発展しやすい
短所:住民の生活の危険が忍びよる

 今、一斉に、この2つめの地域分散型を目指してまちづくりを行っている人がおおいのかなって思いました。とりわけ、インフルエンサーの方々は地域分散型に全力でシフトしています。しかし、この2つめの問題点として今回説明してきた京都でのオーバーツーリズムなどの問題があります。
 これから、まちづくりを考える人は、ここら辺の問題を考慮しなければならないし、ディペロッパーの人は、この地域住民と観光客の摩擦を解決する手法があれば、インフルエンサーのまちづくりに協力できるかもしれませんね

まちづくり、色々と面白くなりそうですね。以上になります!

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