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想ふことより 思へば こゑ……、らしひこゑ……、たちの ずつと風のやうに充ち 烈火のやうに…
焦燥 とほひ……、と言ふ そのこゑを発する唇の とほさとそのとほひ往来に近ひ言葉の 手の指…
こゑを叩く 雨のかうして降つてゐる かうしてしづかに 水の 波形の 形のなさを耳より両の目へ…
春の別れ 思ふ…、と言ふ そのかがよふ 瞳へ手で 思ひさへ浚ふやう 思ふ…、と 囁かれた気が…
礫に寄せて 迷ふとなく わづかにおかしな心より おかしひと思ふ 官能をこころたづさへ 街の …
その日のほとりより 日の光の明るく ほど近ひ 窓よりここと 此所から見てとても高ひ 空へ あ…
夜の歌より 雨が紐の垂れる 紐で布を縫ひ合はす 紐の細ひ 音のかはきの近くへ 寄せ その 紐の垂れる 音を雨に濡らしてゐる 紙があり 紙のうへを 身の内側の星の漂ふ その星を手と 指先の紐より 色づけ 潜め 紙さへ布に 変へるくらひ 雨が降り 降り頻り 紐のかはひた こゑの行き交ふ夜の暗さです /小倉信夫 #礫 2022年1月28日に、詩人の和合亮一さんが Twitter で行った企画、詩の礫「Ladder」に参加しました。そこに投稿した詩です。 ※ Ladder
一ト瀬の内に…… そこにこのやうな 心の 愛ほしく 愛ほしひと言ふ それが小さひ そして風に …