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詩35 春の別れ

春の別れ

思ふ…、と言ふ
そのかがよふ
瞳へ手で
思ひさへ浚ふやう
思ふ…、と
囁かれた気がした……
夕暮れの
お寺のほとりの
(墓所で…、
風が
思はう心へさはり
なずみ 思ひを
浚つた時に
その風の
内の
何もなひ優しひ指より
墓所の片はらの木立ちを思ふ
……、思ひがあつたと 風にこころ濡らされた

/小倉信夫

#礫


2022年3月25日に、詩人の和合亮一さんが Twitter で行った企画、詩の礫「Ladder」に参加しました。そこに投稿した詩です。

 ※ Ladder =梯子
 ※新型コロナウイルス感染症に惹起された現況を「有事」と考えて創作物をツイートする企画です。
 ※題を付しました。

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