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スランプ脱出!

2か月ほど前、突然、何も書けなくなった。理由は、昨年応募した2つの児童小説が両方とも落選したことだ。どちらも一次選考さえ通らなかった。

今までも数えきれないくらい落選しているが、昨年出した作品はどちらも同人誌の合評会ではかなり好評で、自分でもちょっと自信があったのだ。だから、その分、ショックが大きかった。私なんか何を書いてもダメに決まってる、という負の感情に押しつぶされそうになってしまった。それまで書き続けてきた疲れもドッと出てきて、今回はなかなか這い上がることができなかった。

そんなスランプの沼から這い上がれたのは、また同人誌の例会が近づいてきたので、何か書かなくちゃいけないとむりやり書き始めたことがきっかけだった。2か月前、物語の展開に行き詰まったまま放っておいた作品を、今考えつく限りで設定を変え、なんとか物語を最後まで書き終えることができた。

止まっていた時計が、また動きだした。
公募は落ちるのがふつうだが、昔、何度か佳作などに入選したことが災いとなって、ついそれ以上の結果が出ることを期待してしまう。しかし、私の知り合いには「公募では落選ばかりだった」という、今や超売れっ子の作家がふたりもいる。公募の大賞を獲らなくても良い作品を書き続けていれば道は開けるというお手本だろう。

しかし、こんな私も、今年3冊目の単行本が出るところまでたどり着いた。そして、それらはすべて出版社への持ち込みから始まっている。ただ、持ち込みは編集者さんとの相性が大きく、私のデビュー作と2作目などは、7,8社目の出版社でやっと拾ってもらったという経緯がある。それまで断られ過ぎていたから、編集者さんから「この作品を本にしましょう」と言われたときも、にわかには信じられなかったほどだ(疑い深い私は、現実に本になるまで、この話は途中でひっくり返るかもしれないとずっと警戒していた(笑))。

公募の大賞を獲るのは至難の業だが、持ち込みも大変だと痛感する。忍耐力、持久力、そしてある程度の鈍感力も必要だと思うからだ。もちろん、どちらを目指すにも、根底に自作に対する自信がなくてはならないのは当然である。

今回のスランプからはなんとか脱出できたが、公募を目指しつづける限り、これからも同じようなことが起こるのだろうと思う。とすれば、公募はそろそろ諦めて、持ち込みだけに専念するときが来たのかもしれない。

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