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【エッセイ】「敬語」の行方

昨年撮りだめていたドラマをようやく少しずつ観ています。

私は俳優の田中圭さんが推しのひとり(!)なので昨年7月期に放送された圭さんが出演したフジテレビの「ナイトドクター」も全話ではありませんが録画していました。

このドラマは医療ドラマとして、また、若い医師たちが理想を求めながら医師として人間として成長していく姿を描いた青春群像劇でもありました。私は主演の波瑠さんもファンなんですが波瑠さんのお芝居も力(ちから)が入りすぎず、悩みながらも芯のある女性を演じていてとてもよかったです。

人気のあった作品でしたが、実はこのドラマが当時話題になったひとつに若い医師たちが「敬語」を使わない、ということもあったよう。

5人の主要メンバーは年齢が離れていて、一番年上の田中圭さん演じる医師に対して歳下の仲間たち(最大で13歳下)はそれぞれ医師としての経験も異なるのですが互いに「敬語」を使いませんでした。「夜間救急専門医」として各病院から新しく配属された5人は「同期」という設定だったためか、先輩・後輩ではないとして敬語は使わない「距離感」が描かれたのかもしれません。

でも視聴者の反応は「同期になるとはいえ、年上の人に対して敬語を使わないのは違和感がある」「現実の現場でも敬語なしは、あまりない」という意見もあったようです。

私も。。んー やはり違和感ありました笑。ドラマがクライマックスにむかうほど演者たちのお芝居がよかった分、あらためて「言葉使い」の大切さも知りました。言葉を蔑ろにして信頼関係ができるのか?と少々疑問が残ってしまいましたね。


「敬語」は社会の中で相手に対して失礼のないように振舞う「作法」としての役割を持っていることはもちろんですが、

相手の人格を作り上げるもの(方法やツール)としても私たちは使っていると思います。相手がどんな敬語・言葉を使うのかによって

敬語を話すその人の人格(信頼できる、人が良さそう、など)
バックボーン(育ってきた環境など)

をそれぞれ想像して勝手につくりあげて「距離感」をコントロールしてコミュニケーションに役立てているのだと思います。

そしてさらに相手から敬語を使われたときに、自分自身の人としての価値観も同時に自分でつくりあげるているのかもしれませんね。

たとえばホテルのフロントでスタッフから丁寧な言葉で応対されたら

『このスタッフは優秀』…と勝手にそのスタッフに好感を持つ

『丁寧に対応される自分はちょっと特別かも』…と勝手に自分の存在価値が上がってホテル滞在中は気持ちよくすごせる

といったところでしょうか。


けれどSNSの台頭でこの敬語使いも変わってゆくような気もしています。

たとえばTwitterのように限られた文字数でコミュニケーションを重ねていると言葉を省略して説明することが日常になり常識となって文字数の多い「敬語」などはさらにカタチを変えてゆくのかもしれませんね。そして先のドラマの「距離感」があたりまえの光景になるかも。

これからの「敬語」はどこに向かうのか。いずれにしても敬語には響きが美しいものが多いのでなるべくキチンと使えたらと思っています。


ではごきげんよう☆



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