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【バラエティ】オカリナさん出演「しくじり先生」とお笑い考

 過去にしくじった経験のある芸能人を講師として招き、そのしくじった経験から教訓を学ぼうという番組「しくじり先生」。

8月2日の回はお笑いコンビ「おかずクラブ」のオカリナさんが講師でした。


・オカリナさんと「おっさんずラブ」

 オタクとして様々な分野にハマり、その中でもオカリナさんが多くの時間とお金を費やしたというのがドラマ「おっさんずラブ  2018 天空不動産」。(←しくじり先生ではドラマおっさんずラブは2016年に単発ドラマとして、その後2018年に、そして2019年にドラマシリーズ化され映画化もされたとオカリナさんは紹介されていましたが、話した内容からオカリナさんはおそらく2018年度版にハマったようですね☆)

 ドラマの良さの伝わり方、感じ方は人それぞれですがオカリナさんの熱い想い!とても伝わってきましたね~。ドラマを観ることによって視野が広がり自身の人間性も大きくなったけれとドラマグッズ購入や73回という映画鑑賞数など、お金(財産)を使ってしまったというオカリナさん。この授業の最後では「推しは自分の将来の面倒を見てくれることはない」。お金を使いすぎないように…というまとめでした。私も今まで観てきたテレビドラマは数あれど、「おっさんずラブ 2018」はとてもハマりました。映画鑑賞数はわずか13回ですが笑、「おっさんずラブ2018」の続編を待ち望んでいます☆


・「しくじり先生」の中の令和のお笑い

が、

しかし。

この番組は久々に観たんですけど生徒の皆さんは講師の方の話しに興味がないとあからさまにそれを態度に出して話している内容以外にツッコミを入れて笑いにする、という番組でしたっけ、、。あまりにもオカリナさんと生徒たちの会話が絡み合ってなくて、その雰囲気はカオスというか、もはや圧巻でした。

 もちろん打ち合わせはあると思いますが生徒さんは講師が話す内容の前情報を入れず、本番で内容を知って、本当のリアクションを画に収めてリアリティを追求する番組なのかな?まるでアウェイの中にいたオカリナさん。でも実は「しくじったとは思っていない」というのが心強くゲームには勝ったと思いました。

 昭和の終わりから平成の時代になって、芸人さんは舞台の芸よりもテレビでのフリートークができるほうが仕事があるようになった、と聞いたことがありました。「リハーサル・稽古を重ねたドリフターズの『全員集合』のような笑いと、打ち合わせはあるようでなく本番で起こる瞬発的なリアクションとフリートークで笑う『ひょうきん族』のような笑いでは、どちらがこれからのお笑いの時代をリードするのか、と議論されたこともありましたね。令和では、さらにフリートークのセンスが問われているよう(ワイドショーの芸人さんのコメンテーター枠進出もそれを求められているのでしょう)。

でも今回のしくじり先生。

 オカリナさんの話に興味を出さず、いえそういう演出を要求されたのかもしれませんが、ずば抜けたトークを引き出そうにも、芸人さんの他にタレントさん、アイドルの方もいらしたのでやむを得ないのでしょうが、出てきたトークは身内受けのようにしか見えず、あの時間では足りなかったのではないかと思いました。もやもや感が残ったというか、もうちょっとちゃんと笑いたかった…。オカリナさんにおっさんずラブ愛を語ってもらうなら別の番組・企画でも良かったのではないかと思います。


・本当にしくじったのは…

 ところでさらに気になったのは、なぜしくじり先生という番組内でテレビ朝日が「おっさんずラブ」を語らせるという取り上げ方をしたのかというところでした。

 ドラマが終わって数年がすぎた今、、おっさんずラブの人気度、認知度を改めて知りたかったのでしょうか。振り返れば、上からで恐縮ですが、刑事・医療ドラマは先頭をゆくものの、恋愛ドラマでのヒットがなかなか出せない局(失礼!)が「おっさんずラブ2018」で大ヒットを出し、その成功体験にあぐらをかいて(失礼失礼!)劇場版が上映されている時期におっさんラブ2019「in the sky」を発表し年度内に放映したけれど、お世辞にも2018のような話題性は生まれず書籍、グッズ展開で数字的な大ヒットに繋がらなかった、という状況があったようにみえます。もちろん物販売り上げだけで成功か否かを表すものではありませんが、局としては期待していたのではないでしょうか。

 あくまでも想像にすぎないのですが、とにかく熱が熱いうちに時間を空けずに「おっさんずラブ」というワードを使ったドラマを作りたい、という局との意向と、スポンサーの一存などがあって、オファーを受けた演者やスタッフ、企画・脚本の方々も力を尽くされたと思います。主役の田中圭さんは受けることに躊躇し一度断ったものの、やはりあのワードのミラクルを信じて最後まで付き合う事を選んだのかもしれません。また立場的に、例えば現場のフリーのスタッフや脚本の方などヒットを出していても一度仕事を断ると次の仕事依頼が来るとは限らない、などのリスクを鑑みれば、この業界ではオファーを断るという選択はあまりないかもしれません。しかしながら結果としてその局の想いは失速し、大きな話題にこそなったけれど2018のような盛り上がりには届きませんでした。

 先にも書いたけれど、本当に素晴らしい役者さんが揃い、CG?を駆使して、さらに話題になるような贅沢なセットと衣装に身を包んだおっさんずラブ2019。放映時期さえ異なっていたら間違いなくもっと異なる結果になっていたのではないか。もっと言うならおっさんずラブ2018がなぜ支持されたのか、あの大きな数字(様々な売り上げ)はとても大事だけれどその背景にあるファンの息遣いや体温、言葉を汲み取ることを怠らなければあのようなタイミングでの制作いえ、少なくとも放映にはならなかったと思うのです。

ならばこそ、しくじったのは誰なのか。

様々な声が聞こえてきそうです。


・そして私は

ここまでつらつらと書きましたが、ドラマの感じ方は人それぞれ。もちろん私が書いたことが正しいというわけではありません。それぞれの楽しみ方で見たいですね。


そして私はこれからも

もっともっと

テレビに期待しています。



#スキしてみて











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