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「自民党憲法改正草案(平成24年)を読む」 ⑩

自民党は現憲法の三原則は変えないと発表しています。

現憲法の平和主義と、
自民党憲法改正草案の平和主義

全く違います。それは私が説明する必要もなく全く違います!

前文の比較ですが、
現憲法は全世界の人々が等しく、平和のうちに生存する権利を有する事。
そして
その全世界の平穏を望む人々の意思に信頼し、
平和と安全を確保するのだと示されています。

もちろん、これは理想の世界であり、
現実の世界とかけ離れていると言う意見もあります。
しかしこの理想を追い求め続ける事を憲法の前文で宣言しています。

自民党の前文には平和主義、諸外国との友好関係、世界の平和と繁栄に貢献する
といった言葉はあるものの、非常に事務的な文言で簡素化されています。

現憲法に表現されるような
戦争放棄への決意、
平和な世界とはどのような世界なのか?
その平和を構成するのは、全世界に生きる、平穏な暮らしを求める人々ではないのか?
といった平和に対する思慮の深さや、
スケールの大きさが

反映されず縮小しています。

また、現憲法の第二章 戦争の放棄は
自民党改憲案では第二章 安全保障
に変わり、

交戦権は認めない、戦力不保持の文言は
完全に削除。

そして、自民党憲法改正草案には
国防軍とその活動内容が示されています。

この変更は誰が見ても、
現憲法の平和主義そのものの改変です。

それが、良い悪いの前に、

自民党が「平和主義」を変えないと発表している事が、「虚偽」そのものではないか?
という事を、追及するべきだと思います。

国民に「虚偽」の情報を与えたまま
憲法改正を進めるのは、政治道徳に反する
許されない行為ですから。

これから作成される新しい改憲案でも、
この「戦力不保持と、交戦権の否認」の文言が改変される場合に、
「三原則は変えません」という宣伝文句を使う事は許されないのです。

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