【師長の連携そして計らい】
家なしになった僕を師長さん達が話し合ってくれ、4階病棟に移ることが決まった。
ただ、何時4階に移れるかわからなかった。
この水漏れ騒動の一件で、僕は有名人となっていた。
来るナース、来るナースに「水漏れで帰る家がなくなっちゃたんだって」と言われ悲劇の人となった。
そのおかげもあってか薄眉毛以外は、みんな優しかった。
リハビリを兼ねて車椅子に乗るようになって、3時間ぐらい乗っていられるようになっていた。
車椅子を乗っている姿をナースが見て「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれ、「大分座ってるようだから少し膝を伸ばそうか〜」と言ってくれ伸ばしてくれた。
前の病院から弾性ストッキングを靴下替わりにしていた。
ストッキングの先から指先が出ており、その指先を見て「爪が伸びてるから切ろうか」と言ってくれた。
嬉しかったし、ありがたかった。
優しく気遣ってもらえるのは本当に嬉しい。
優しかったのは、ナースばかりではなくフィリピンのケアさんもだった。
僕は、何をするにも手間がかかるし、何もできない。
食事の後やおむつ交換の後など、スマホがいじれる様にセッティングしてもらう。
ベッドを起こし足腿の上に長い体交枕を使って、テーブルを作ってもらいその上に手を置かせてもらいスマホを持たせてもらっていた。
そうしないとスマホも見れないからだ。
でも、いつも笑顔で嫌な顔もせずに手伝ってくれた。
そんな中、ナースから「来週の何処かで4階に移れるような話になってるよ。」と聞いた。
やっとみんなの名前も覚え、良くしてもらってるのに移動だなんて・・・
とても寂しく感じた。
つづく
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