【適当な会社】
12月に入った。
そんなある日、妹から連絡が来て7日にk'sが病院に来て見積もりの話をしに来るという事だった。
k'sの説明をすると、漏水調査からリフォームまで行う会社のようだ。
マンション管理会社とずぶずぶの関係。
ナースの聖さんから師長さんに、業者が来るので面会とは別枠で入れてもらえるようにお願いした。
事情が事情なので、わかりましたとの事で了解を得られた。
7日に妹とk'sの営業藤田と面会した。
第一印象の藤田は、20代後半の何とも頼りない感じがした。
藤田は、「自ら僕も入院してたので大変なのはわかります。」と言った。
確か心臓が悪いと言っていた。
確かと言うのは、僕自身がそんな人のことをかまっていられる心境ではなかったからだ。
良く人に優しくできるのは、その人が心にゆとりがあるから出来ると聞くが本当にその通りだと思った。
自分に心のゆとりがなくなると料簡が狭くなるんだと実感した。
俺って小さい人間だなあと思った。
話を戻す。
僕は、苛立ちを藤田にぶつけた。
何故、こんなに遅いのか?これでは保険鑑定が年越ししてしまう。
k'sは、どんな会社なのか?と聞いた。
面会の時間も限られているので、ちんたら話している時間はなかった。
通常家族の面会は、15分。業者面会は30分頂けたがとても短い。
水漏れの損害は酷い状態なので、全損扱いの損害見積もりを出したと言っていた。
僕も空いてる時間でリフォームすると、どのくらい掛かるのか調べていたので妥当な金額だと思った。
とりあえず時間が無いので見積書を受け取った。
帰り際に藤田は話した。
「申し訳ないのですが私は12月末で退職します。今後、担当者が変わるのですが1月にならないと来れないようです。その担当者も1月末で退職するようです。よろしくお願いいたします。」
一瞬思考が止まりかけた・・・
僕は、「何を言ってるのですか?貴方は、今月末。次の人も1月末って会社的に終わっているでしょう。普通の会社なら一歩譲っても次の人は辞めない人を連れてくるよね。誰がコロコロ人が変わる会社を信じますか?これから大金も動くのに。それでなくても動きが遅いのに、次は退職ですか?お宅の会社は、まともな人材はいないのですか?」
僕は、まくし立てた。
藤田は、「すいません」と言いながら帰って行った。
こんな奴らに任せてはいけないと思った。
自宅の鑑定の日が12月20日になった。
つづく
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