4月11日

 毎年、春と秋の彼岸に帰省するようになって、何年か経つ。近年はコロナの影響で中止せざるを得ない時もあったが、今年は個人の諸々のせいで3月の帰省が延期になっていた。4月から無事働くことか決まっていれば、無理にでも3月中に予定を立てたのだが、思うようにはいかず、4月に入っても落ち着く島が見当たらないままだったので、なかなか実現に向けて動き出すことが出来なかった。
 何もかも行き詰った状態のまま、半ば強制的に宿を予約し、花も終わりではないかという春を越したような炎天下の中、強行帰省することになった。その前後に、面接が二件決まった。
 したい仕事が見つかった…というのとは違う。どちらも考え込んでしまうような点を無視できないままの応募で、どちらの仕事も、自分がしている姿を想像することは出来なかった。しかし、気になったまま放置しておくのもしんどかった。前途多難で、希望も持てず、自身の現状を知ろうと、社会に目を向け、色々と調べていくうちに、働く意欲がどんどんと削がれて行くのを実感せずにいられなくなった。何もしたくなくなった…というのが本音である。
 それでも応募したのは、取り敢えず、気になるところから出来るアクションを起こして、自分に付着していくばかりの“気になる”という感情を、片っ端から排除していくためだ。
 今日、一件目の面接だった。
 違った点。
①  事前に知らされていなかった“適性検査”とやらを、幾つも受けさせられた。面接に費やした一時間半のうち、三分の二がそれだった。
②  希望職種に就くには、二年の実務を要するのだと、初めて知った。これは、この4月に規定が変わったことにより、ハードルが上がったのが原因らしい。採用者側の責任ではないので仕方がない。
③  車の運転が業務に含まれる。聞いていない。運転は好きだが、赤の他人を乗せて送迎するような業務に、自信はない。“好き”と“出来る”は違うし、何かあってからでは遅い。決して“得意”とは違うので、自分以外の誰かを危険に晒すような責任は負えない。
 良かった点。
 社長でもあり、面接者でもある採用者側が、大分丁寧だった。質問に対し、理解できるよう、詳しく細かく説明してくれた。全く嫌な感じはなかった。チャラいにぃやんではあったけど…。
 結果は3日後、電話で報告されるらしい。その前日に、もう一件の面接に行く。

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