勝手にミュージックポートレイト第一回「プレイバックPart2」「ポケモン言えるかな？」

2019年9月18日 03:08

ちいさい時、車で出かけると必ずラジオかCDがBGMとして流れていた。ぼくは車で酔ったりはしなかったけれど、車の匂いが苦手で時々頭が痛くなったりした。寝たらどうにかなるから、いちいち親に言ったりはしなかった。

たまに通販で見かける「なつかしの洋楽 HIT 100選」みたいなCDをよくかけていて、頭が痛くなる時には必ずと言っていい程それがかかっていた。その所為で今でもサイモン＆ガーファンクルを聞くと頭が痛くなる。

他にも井上陽水とかユーミンとかカーペンターズとかいろんなベスト盤をかけていたけれど、中でもよく覚えているのは中森明菜と山口百恵のベストだ。特に山口百恵は大好きで、子どもの頃の十八番と言えば、山口百恵の「プレイバックpart2」だ。

そのベスト盤は耳に残っていて、曲順まで覚えていた。好きな曲から聞く所為で、プレイバックpart２を聞き終わると、今でも絶体絶命のイントロが頭の中から流れてくる。

子どもの頃からよくカラオケに行っていた。その頃のカラオケルームにはまだ辞書みたいに厚い本が置いてあって、そこから歌いたい曲を探して番号を入力する。新曲は別の薄い本の方に入っていたけれど、流行ってるアニメの曲を探したりはせずに、7歳くらいには重すぎる本から「や」の段を開き、山口百恵を入れていた。

いや嘘だ。ウルトラマンも歌ってたし、ポケモンも歌っていた。でもウケがよかったのが山口百恵だからよく覚えているのかもしれない。

ポケモンの曲ってめちゃくちゃかっこよくてよく覚えている。ちょいちょいベシャリをはさんでいるのはレイモンドという人だ。彼はおはスタの初期メンバーで山ちゃんとレイモンド二人ではじまった朝の番組に夢中だったぼくはそのコラボにも興奮していた。
メインで歌ってるイマクニ？もよくおはスタに出ていたのだろう。正直あんまり覚えてないけれど、おはスタという番組にはアニメやゲーム会社の社員が変なキャラクターに扮して登場し、商品を紹介するという謎の風習があるため、イマクニ？が出てたことは多分間違いない。というかその風習の走りがもしかしたらイマクニ？かもしれない。

人生ではじめて見た芸能人もイマクニ？だった。（厳密には芸能人ではないのだろうけど。）家族でスキーに行った時、宿にイマクニ？がいたのだ。全身タイツを着て。ぼくにポケモンの時計までくれた。今思い返すと、あれは演出されたサプライズだったのかもしれない。ポケモンの時計を子どもに渡すという演出込みの。でもあのイマクニ？が生きて目の前に現れて、やさしくポケモンの時計をくれたのがうれしくって、忘れられない。家族旅行の思い出とかほとんど忘れてしまっているのだけれど、イマクニ？のことだけはよく覚えている。もしかしたら本当に泊まっていて、子どもがもしいたらとバッグには常に全身タイツとポケモングッズを入れていて、今国さんはいつでもイマクニ？になれたのかもしれない。
僕が人生で唯一やりこんだゲーム「ポケモンカードGB」にもイマクニ？が出てくる。急に謎のBGMと共に現れて勝負をしかけてくる彼は、自分のポケモンを「こんらん」という状態にして、攻撃を自分に当てて自滅したりする。それでカードをたくさんくれる。ゲーム内ではランダムに登場する為、僕は探し回った。それで見つけると勝負して、カードをたくさんもらう。突然に現れて子どもを楽しませ何かをくれる。本当にそういう人なのかもしれない。

話を戻す。

小学校の教室でもプレイバックpart2を歌った。ウケた。
しばらくして家にイーカラがやってきた。少しだけ流行ったカラオケのおもちゃだ。僕はプレイバックpart2の入っているカートリッジを買ってもらって家でも歌った。誕生日プレゼントだったか。

それから更に何年か経って、中学生のぼくは声変わりをし始めていた。中学の頃の同級生の家にあったカラオケでプレイバックpart２を歌った。
今までみたいに歌えなかった。地声が低くなってきていた。
誰かが曲を消す。「しゅんちゃんの高い声で歌うプレイバックpart２が聞きたい」と言う。テイク2、やっぱり地声は少し低い。また曲が消えて、テイク３。それがしばらく続いて、めんどくさくなって裏声で歌った。地声で歌わないカラオケは気持ちよくなかった。中学に入っておとなしくなっていた僕が、裏声で歌うプレイバックpart２はそれなりにウケた。

この話を書くのに山口百恵の映像をいくつか見た。めっちゃかっこいい。

この頃の番組はみんな生演奏だから、どの演奏も違いがあって見てて飽きない。