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犬だけの世界 ジェシカ・ピアス&マーク・ベコフ

Am 01. Januar


「イヌが人間に『きみがいてやっと、僕は僕になれるんだ』などとささやく(映画「ザ・エージェント」のトム・クルーズの声色で)とでも思っているとしたら、それはまさにおこがましい限りだ。」




そうね、人間様が一掃された暁にはね、かわいそうなブル顔の犬はいなくなるってもんよ。。。

タイトルから興味津々を煽るこの一冊、あれね、ラブアニマルすぎてヴィーガンになっちまったあのべコフ氏の新作ね。
日本語でも何冊も出てるから、ぼくも先に二冊ほど呼んでみたことあるよ。

ベコフ氏、かなりの動物愛護ゆえ、ぼくみたいな淀んだドブみたいな野郎にはちょっと「?」と思うところあれど、すごく今っぽい思想の動物学者だよね。だいたい動物サイドの本には一言してるよね。
ジェシカ・ピアスさんは、ぼくよく知らないけど、多分この本の前半は彼女が、後半はベコフ氏じゃないかなー?

うちのキャワユイ〇〇ちゃんは、私がいないと生きてけないの!
いやいや、ぶりぶり生きてけますよ!

ってなことを犬の生態とか、世界の「自由に歩き回る犬」の観察から予測する人間がいなくなった世界における犬の未来。

人間様の世話に頼らず、人間様のゴミに頼らず、環境に適応した未来の犬とはどんな犬なのか?

あれね、ブル顔はね、鼻ぺちゃで呼吸困難になるし、頭デカすぎて産道通れないから絶対無理ね。

あと、あれ、トリミング必須な無駄なおしゃれ毛ね、あれ、野生では邪魔よね、あれもなしね。

デッカすぎる犬はでっかい獲物狩らにゃいけないし、ちっちゃすぎる犬は捕食されちまうし、やっぱ中型サイズが生きやすくね?

それと、社会的な生きもんだしコミ障のやつもダメでしょ、尻尾ないとか、ブチ切れやすいやつとか。

そんなこんなで、たぶんね、犬はね全く面白みのない茶色の中型という外見に落ち着くかもね、ジャッカルとかリカオンみたいなね、寒いとこに行くほど、でっかくなるね、オオカミ風?

性格についても面白いね、オオカミの群の観察でもあったけど、野生で生き残るには明るく強い者だけでなく、陰気でビビリな者も必要という。
そう、人間社会の犬には全く歓迎されないビビリが生き残るやも知れぬ。


ところで、みんなが一番気になるという、

ー私たち、人間様がいなくても犬は生きれるか?

という答えには、ドウドウのアンサー、

ーむしろいない方がいいでしょう。

ここでも人間のいる、いない、によるメリット、デメリットをあげて比較してルネ。

人間様がいる方が死亡率が高いんですけど?

いやあ、痛いとこ突かれますな、そう、ペット業界、動物実験、交通事故、安楽死(本当は殺処分という)による犬の死亡数は半端ないらしいね。
可愛がられて一生を全うする犬よりも、モノのようにポイ殺しにされる犬の方がなんと多いことでしょうね。

ベコフ氏は毎回怒っております。

ぼくもヴィーガン無理だけど、ペスカタリアン(?)になっちまったし。
動物実験してませんモノ買うし、薬とかどんだけ動物殺したかと思うと飲めねーな、まー、つまらない自己満足ですな。

そう思うよ、人間がいなくなった方が犬だけじゃなく全ての動物に優しいのは議論の余地なしね。


イヌという動物ってどういうものなのか、犬好きにはちょっと悲しい本当の犬の姿を考える本。



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