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何度でも読み返したいnote1

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。 100作品たまったので、何度でも読み返したいnote2を作りました。
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#フードエッセイ

人間は空の上でコンソメスープを飲める日が来るんだよって、1000年前の人に言ったらなんて返ってくるんだろう

飛行機の機内で飲むコンソメスープが、他のどのコンソメスープよりも好きだ。 初めて飲んだ時まだ私は小さかった。飛行機爆酔いの果てにCAさんに勧めていただくまま飲んで、染み渡るような優しい暖かさと少し強めの塩分でみるみる元気になったのがきっかけだったと思う。以来コンソメスープというものをとても好きになった。 なんならスーパーでJALのコンソメスープを買って家で飲んでたこともあった。が、やはり身動きの取りづらい機内で紙コップからいただくあのコンソメスープがことのほか美味しく感じ

5本で100円の泥ネギを食べまくった冬がもうすぐ終わろうとしている

旬のものを使って自炊をするという行為の贅沢さったらない。今この季節が最も栄養価の高い食べ物と今この瞬間のわたしの人生を捧げて、健やかな未来を静かに願う儀式をしているような気がするのだ。ほとんど毎日のように料理をするが、何のためと改めて聞かれたとしたら「空腹を満たすため」というよりも「未来への祈り」だと答える気がする。 前置きが長くなってしまったが、この冬は信じられない量のネギをたくさん料理して食べた話がしたかったのだ。 今年の冬は長ネギが豊作だったそうで、おかげさまで本当

お酒フレンドリーになった結果おせちの真価を知ってしまった

あけましておめでとうございます! いままでで一番のんびりした年末年始。仕事の積み残しもなく、遠出もせず、買い出しもそこそこ。もうなーーーんにもない。というフクフクとしたお正月を過ごした。サイコー! 今年もいっぱい食べてたくさん笑って元気に書いたり作ったりする年にしていこうと思います。 と宣言するまでもなくいっぱい食べているけど、 今年のお正月はおせちの良さみを改めて感じられたのも良かった。というのも、今年は日本酒と一緒に味わったのだ。 去る年の瀬に用があって新潟の方に出向

月光価千金(焼きリンゴ)|酒と肴 その四十四

ちょっと量を飲んだ夜、喉の渇きで目覚めるのは何故だかいつも丑三つ時。不思議なもので尿意は2回までスルーできますが、渇きはどうにも我慢が利きません。眠る家人を起こさぬよう、そっと布団から抜け出します。 しんとした真夜中の台所、冷蔵庫のドアから漏れる光に優しさを覚えます。人でも言葉でもなく、機械に心を温められる。それも冷やすことを目的とした装置にというのは、心の置き場が妙な具合いです。 さて肝心の渇いた喉ですが、光の中にポカリが浮かべば僥倖で、炭酸水が冷えていたら重畳、無けれ