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考えごとをしていて、いつもどおり散歩へ出た。療養期間が明けて久しぶりに吸い込んだ夏の空気は、早くもどこか秋めいている。 季節ごとにタイトルを付けはじめて一年。この時期はどんな言葉があるのだろうと思って少し調べたら、良さげなのが見つかった。よすずみ。二文字で「やりょう」でもいいらしいが、夜道の足取りに関わるので夜涼みの散文とする。 整理、という言葉がある。 仕事をしているとよく出くわす。記録の曖昧な情報、数字の合わない根拠、部署間での意見の対立。少々都合の悪いことに一旦の
まだ残暑の厳しい九月のはじめ。 灼けるアスファルトの上を 先へ先へと急ぎ歩くなか、 信号待ちに 足を止めたときのことでした。 凛、、凛、、、 どこからか、懐かしい、涼やかな音がします。 日傘を下ろして、あたりを見廻すと、 道沿いの家の軒先に 綺麗な風鈴が一鈴、 下げられているのが見えました。 海月のように丸く 下の方だけ少しすぼめた外見は 縁に向かって青いグラデーションの入った 薄手のガラス作り。 そこへ白い糸が通って、 淡い絵をしたためた短冊が キュッと、結ってありま
本来なら今は、まだじめじめした梅雨時期だ。 けれど、今年は梅雨入りの「つ」を言ったとたん、終わってしまった。 異例の梅雨明け。 どの新聞にも、そんな見出しが並んだ。 どうやら異例なのは、梅雨だけではないらしい。 毎年張り切って梅干し作りにはげむ祖母が、今年は 3kgしか作らないという。 3kgでもすごいが、作る量を減らすというのは衝撃だった。 なんといっても、梅干し作りは祖母が毎年大切にしている、「仕事」だ。いつも祖母の分とわたしの実家の分、あと親戚2家族に分けるの