イールドカーブコントロールは引き締め的な政策になったのか。
こんばんは、飯能高校探究部のギンです。今回は、イールドカーブコントロールは引き締め的な政策になったのかについて考えてきいたいと思います。
イールドカーブコントロールとは?
2016年1月に導入したマイナス金利(短期金利)に加えて長期金利も操作するのがイールドカーブ・コントロール(YCC)です。
イールドカーブのフラット化による金融機関の収益低下懸念や実質金利低下の効果を追求するために導入されました。
具体的には、イールドカーブの起点となる短期金利(無担保コールレート)は日本銀行当座預金のうち政策金利残高に−0.1%のマイナス金利を適用することでマイナス金利を実現しています。
長期金利は、新発10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう大規模な国債買入オペや日本銀行が決まった利回りで上限を設けず無制限に国債買入れを行い、強力に長期金利を抑制する指値オペで誘導します。
通常、中央銀行は短期金利しか操作せず、短期しかできないと考えられているため、長期金利まで操作目標とするイールド・カーブコントロールはかなり特殊な政策と言えます。
なぜ引き締め的な政策と言われるのか。
イールドカーブコントロールは、いわばマイナス金利政策で下がりすぎた長期金利をマイナス金利からゼロ金利へと引き上げるものです。
今までのフォワードガイダンスや量的緩和、マイナス金利などで下げよう下げようという動きから少しですが逆の動きになるので、引き締め的な政策と言えるでしょう。
今まで引き締め的な政策だったか。
私は、時期によって若干引き締め方向に働いた時と、非常に緩和方向に働いた時があると思います。
導入直後からコロナまで
導入直後はマイナス金利からゼロ金利にしたので若干引き締め方向に働いたと言っていいと思います。
その後は、ずっとタームプレミアムが大きめのマイナスになる中で、特に金利上昇圧力はなくゼロ%程度で動いているので緩和方向に動いたと思います。
2022年以降
2022年以降、世界的なインフレによって世界中で猛烈な利上げが行われました。
日本でも徐々にインフレ率が上がり、日本の長期金利にも強い上昇圧力がかかりました。
しかし、上限にも張り付きながら、連続指値オペなどによって強力に長期金利を抑制し、実質金利も大きくマイナスになりました。
そのため、2022年以降は非常に緩和方向に働いたと思います。
まとめ
今回は、イールドカーブコントロールについて話しました。
イールドカーブコントロールは導入直後は若干引き締め方向に働いたものの、総合したら強い緩和効果をもつ政策だったと思います。
これからも、経済、金融について話ていきたいと思うのでよろしくお願いします。
〜顧問のつぶやき〜
探究部のギンは興味関心のあることが明確です。
ギンがどのようにすればさらに学びを深めることができるのか、私自身ずっと考えています。
アイディアの一つに高大連携プログラムへの参加があります。
現在とある大学の前期のプログラムへアプライできそうか検討中です。
さて、明日から生徒は高校入試に伴う臨時休校期間となります。この期間に、自分の好きなことをぜひ深めてもらいたいです。
明日はいよいよ埼玉県は公立高校入試となります。中学3年の受験生の皆さん、応援しています!
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