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カタールWCの裏側で起きていること

 森保ジャパンは健闘むなしくベスト・エイトへの駒を進めることは叶いませんでしたが、日本のサッカーは着実に世界レベルに近づいていることを実感させてくれ、感動を与えてくれた全ての選手と森保監督に感謝したいと思います。

 その一方で、日本のメディアがまずもって報道していないカタール・ドーハの競技場前で起きている政治的な主張に対するカタール政府の動きについて少し触れてみたいと思います。

 ただし、これは私が実際にドーハに行って取材した話では無く、あくまで報道ベースであることをご理解ください。(情報確度は「伝聞」レベルという意味です)

1 パレスチナ問題やイランに対する批判行動などの政治的メッセージを排除

  報道(ロイター)によれば 

https://jp.reuters.com/article/soccer-worldcup-stadium-politics-idJPKBN2SQ05O

 こういうことが実際ドーハの競技場前で起きているようです。
 (日本のメディアは、全く報じませんし何が起きているかすらキャッチしていないのでしょうが)

 しかし、カタールも中東湾岸地域に属する権威主義的国家の一員であることに鑑みれば、ある意味当然のことかとは思われますが。

 皆さんが思っておられるほど中東地域は民主国家などではないばかりか「法の支配」など夢のまた夢で、一国を支配する王族が権威主義的国家を形成しているのが実態です。

 したがって、これらの政府による行動がなされたとしても何ら不思議ではないというのが中東湾岸地域に7年居住していた私の感想です。


2 ワールドカップ開催国としてのカタール


  今でこそワールドカップ開催国としてサウジアラビアも国の代表をカタールに送り込んでいますが、つい最近までの

   カタールとサウジアラビア及びUAE

 の関係は過去最悪とも言える状態だったのはご記憶にあるかと思います。

 原因は諸説ありますが、

  カタールの国営放送「アル・ジャジーラ」をめぐる問題
  カタールが国際テロ組織に資金援助していた
  カタールがイランに近づきすぎたとか


 いずれにせよ、この間サウジアラビアとUAEその他GCC諸国はカタール航空の自国乗り入れ、艦船の寄港禁止など国交断絶ともいえる措置によりカタールを地域の「のけ者」として処遇してきました。

 流石にワールドカップ開催前には従前のような国交正常化に戻したようです。

 こうした周辺国の批判や仕打ちにもめげずに今回のような世界的イベントを中東で初めて成し遂げたカタール政府に敬意を表します。

 ドバイでの万博(2021)に続いて今回のカタールでのワールドカップ開催とここ数年で中東湾岸地域が世界の表舞台に躍り出てきた気がします。

 独立から約50年を迎えて湾岸諸国も地下資源等で得た富と地政学的優位性を背景に今後この地域で意見力を増してゆくことは確実かと。

 日本が今後本気で向き合う相手国は、欧州や米国などではなくこれらの国々なのかもしれませんね。



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