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オブリ研第5回 : "Bye Bye Blackbird"(2)

 1: 曲について    
 2:Mさん(tb)作例   ←Now
 3:Fさん(tb)作例
 4:Oさん(tb)作例

Index

それでは作例研究にうつります。
へ音記号、ト音記号で併記します。ここはトロンボーンのために書かれたページですので、へ音のアファーマティブ・アクションをとっています。あしからず。ただ、解説はト音でやりますね。

Mさん作

fig.1a "BBB" by M take.1 (F clef)
fig.1b "BBB" by M take.1 (G clef)

またしてもシンプルイズベストな感じですが、ツボを外さず、いいですね。
端的に言ってクール。

AからB

fig. 1c A-B take1

Aパート。薄めに入るのは定石どおり。
A8小節目の最後の音。B頭のコードがGmですから、その前をD7と仮定し、F#にする方が好みかも。
Bパート前半。G→F#→F→Eとクリシェを活かしたパターンです。
B 5-6小節目はウォーキングベースっぽい雰囲気と想像します。6小節目の3拍目からC→E→Dと動きますが、跳躍がしんどい。下記のように変えてみます。ウォーキングベースの基本的な手法についてはここでは詳しく触れませんが、ベースっぽさを真似るなら、6小節目の1拍目はコードトーンGがいいでしょう。

fig. 1d A-B take2

あるいは、6小節4拍目のCと7小節目Dを入れ替えてもいいかもしれない(その場合7小節目はC-B-Bb-Aとする)。

CからD

fig. 1e C-D take1

後半です。最小限のフレーズで、盛り上がりをうまく演出できている。
Cの3-4小節目と7-8小節目は対になってます。いいですね。
ただC, 7小節目ではクロマチックに音を動かしてますが、これはもとのコードDb7をあまり効かせない形。それも悪くはないと思いますが、BとDbのコードトーンが裏拍であるので、「経過音の場合コードトーンは頭拍」の原則からいうとすべて半拍ずつ前にだしてDを4ウラからタイで引っ張る手もあろうかと思います。3頭からB-C-Db-D。
また、3-4と7−8の対称性を強く打ち出し、同じ音形でコード感をだすのもありかと思います(修正案はこれを採用)。
Dパート。Bと同じくウォーキングベース感をだしています。いいんじゃないでしょうか。6小節目3拍はテーマメロディーEとかぶるので避ける。枯葉の回で「テーマメロディーは地雷、踏むと死ぬ」と書きましたがその精神で。

修正後はこんな感じになりました。

fig. 1f C-D take2

修正後

fig.1g "BBB" by M take.2 (F clef)


fig.1h "BBB" by M take.1 (G clef)

4段目4小節目最後のFは消してください。(手書き譜面のリライトの段階でよくわからなかった)メロディーの始まりの直前にメロと同じ音を出すのも、基本的には禁忌ですね。
例えばメロディーの一拍前に、メロディの音を先行させて吹いたら、すげーうざい。多分頭ショットガンでふっとばされても文句言えないと思います。

Mさんは前回もそうでしたが、シンプルな譜面を書きます。
セッションに持ち出すには、一番向いている感じはします。
技術的にも無理がなく使いやすいオブリです。
クックパッド上位に来そうなレシピですよね。
ありがとうございました。


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